『姫はじめをいたしましょう』






散らかったキッチン。
空っぽになった酒瓶があちこちに散らばり、
シンクの中は洗い物で一杯だ。
普段なら、こんな状態を許すはずのないキッチンの主も。
今は別のことで夢中なので。

12月31日の夕方から始まったパーティー。
たくさんの料理を用意して、みんなで騒いだ。
誰もが羽目を外して、心地よい酔いに身を任せた。
日付が変わると、口々に新年の挨拶をして。
毛布に包まりながらみんな揃って甲板へ。
真っ暗な闇が次第に白み始め、辺りがだんだん明るくなる。
日の出なんて見慣れてるはずなのに、何故だか今日の日の出はひどく美しく見える。
厳粛な気持ちで昇る朝日を見つめ、それぞれの胸に今年の抱負なんてモノを抱えながら。
「今年もよろしくー!!」
とびっきりの笑顔で、自分と、その仲間たちの幸福を大きな太陽に願った。

朝食はとりあえず一眠りしてから、というナミの提案はすぐに受け入れられた。
みんなはしゃぎすぎてへとへとだった。
あくびをしながら各自の部屋へ引き上げていくクルーたちを見送り、サンジはキッチンへ。
「あーあ、すさまじいぜ…」
食べ残しはないが、食べこぼしがあちこちにこぼれ、せっかく用意した綺麗なテーブルクロスもしわくちゃになっている。
「ま、いっか。今日は特別だし」
独り言を言いながら、サンジはいそいそと片付け始める。
「おい」
「ぉわっ!ビックリした…」
背後から突然声を掛けられ、サンジは飛び跳ねる。
「ゾロ…、寝たんじゃなかったのか?」
「俺を1人で寝かせる気か?」
「…だって…」
少し赤くなって、サンジはモゴモゴする。
「片付けは後だ。みんなで片付けた方が早ぇし」
「でも、すごく散らかってるもん。ちょっとだけでも片付けとかないと…」
ゾロはサンジに近付くと、力任せに引き寄せて口唇を重ねる。
最初は少し抗って、閉じていた口唇。
しかし、丁寧に口唇を舐めてやるとサンジは口内にゾロを迎え入れた。
「んっ、…ん…」
そっと口唇を離すと、サンジの目は既に潤み始めている。
顔を近づけたまま、ゾロはにやりと笑う。
「今年、初キス」
「やっ、もう…バカじゃねぇの…!」
新年の明るい日差しの中のキスが、何故だか無性に恥ずかしくて。
サンジは悪態をつく。
「初サンジ、味あわせてくれよ」
耳元に低音の囁き。
サンジがこの声に弱い事を、ゾロは十分すぎるほど知っている。
「ぁんっ…、もー…!」
サンジが頷く前に、もうゾロの手はサンジの服を脱がしかかっている。
「オレ…、今年の目標が決まった…」
全ての服を剥ぎ取られ、テーブルクロスの上に寝かされた時。
サンジはポツリと呟いた。
「今年の目標、『ゾロを甘やかさない』こと!ぜったいぜーったい、甘やかさな…、ア!」
言い終わる前に、サンジの中心はゾロの暖かい口内に含まれて。
言葉の続きを言うきっかけをサンジはなくしてしまった。



根本まで入り込んだゾロの雄は、サンジの入り口を限界まで広げている。
腰だけを突き上げた格好で、サンジは後ろから送り込まれる感覚に耐えていた。
既に何度も交わり、サンジの体力は尽きそうで。
ゾロに抱えられている腰以外はぐったりと床に伏していた。
「ぁあんっ!ゾロぉ…」
涙目で焦点のあってない青い目が、自分の肩越しにゾロを振り返る。
「…ナカ、気持ち…いよ…」
息も絶え絶えで、全身を桜色に染めながら。
サンジは快感をゾロに伝える。
「…くっ」
急に締め付けられ、ゾロは奥歯を噛んで堪える。
まだイクわけにはいかない。
「やぁっ…!ひ、ァ…!!」
奥深くに埋めたままの雄を、サンジの内部を抉るように腰ごと回転させた。
サンジの中はどこまでも柔らかく熱くゾロを締め付ける。
「もっと…奥、キテ…」
あまりの快感で羞恥を忘れたサンジは、普段からは考えられないほど大胆で淫らになる。
自ら腰を揺らめかせながら、奥へ奥へとゾロを誘う。
サンジの前からは蜜が溢れ、糸を引きながらテーブルクロスに染みを作っている。
噛み付くようにゾロを含むサンジ。
キツイ入り口部分の粘膜を振り払うように、ゾロは激しく突き上げた。
「あっ!あぁんっ、アァ…!」
腹側にあるポイント。
サンジが一番弱くて、一番喜ぶトコロ。
そこを狙って、ゾロは硬く育った雄を突き入れる。
「ひァッ!あぁん、あっ!そこ、あ…、イイ…っ、ゾロ…ぉ…」
サンジはびくびくと身体を打ち震わせる。
結合部からは二人の体液が交じり合い、ジュプジュプと淫らな水音が聞こえる。
サンジの内側から溢れ出た蜜が、真っ白な内腿を伝い落ちる。
「ぁんっ、やぁ……!ゾロ、ゾロぉ…!」
「気持ちいいか?」
「ん、イイ…っ、イイよぉ…!」
自らも腰を振り、サンジは喘ぐ。
朝日に光る汗。
快感のあまりこぼれる涙。
「やっ、やァ…!」
痙攣し始めた太腿。
そろそろ限界のようだ。
「イキそうか…?」
そう問うゾロの額にも汗が滲む。
こちらもそろそろ限界なのだろう。
「ん、ん…、も……」
口唇を噛んで、ぎゅっと目を閉じたまま。
サンジは激しく揺さぶられるがままに任せている。
「イっちゃいそ…、も…だめェ…」
ゾロはスパートをかけるべく、サンジの腰を掴み直して激しく動き始めた。
「あ、あぁんっ…!」
「サンジ…ッ」
喘ぎすぎて真っ赤になった口唇から、飲み込めなかった唾液がシーツに伝い落ちる。
一際育った雄の先端で、サンジの奥を突いた時。
サンジの前が弾け、同時に激しく痙攣した内部で雄を締め付けられたゾロもサンジの中に精を解き放った。
「はぁ…ん、…く、んん…」
内部に染み渡るように熱いゾロの精液。
満足そうなサンジの頬にゾロはそっと口付けを落とした。






「ごくろーさん」
「…ん、…」
サンジも腕を伸ばし、ゾロの顎先に口付けた。
「…美味かった?初サンジ」
「ああ、かなり美味かった」
そっとサンジの身体を抱え起こし、自分の膝の上に座らせる。
「今年もよろしくな、ゾロv」
「ああ、もちろんだ」
しばらく二人はじゃれながら、今年の目標や抱負などを発表しあった。


「すっげーすっげー!!サンジ、コレ美味そうだなー♪」
ルフィは目の前のご馳走に感嘆の叫びを上げる。
「オ・セ・チっつーんだぜ。正月にはコレを食うっていう風習があんだよ」
「へぇー、どこの島の話だァ?」
「さぁ、どこだったかなァ」
ニヤリと笑って、サンジは雑煮を煮ている鍋の蓋を開ける。

「レディたち、お餅は何個召し上がりますか?」

fin



<コメント>

りか様から頂いたお年始メルSS、頂きましたvv
『初サンジ』・・・・ゴチになりましたvv
本当に、可愛くてラブラブで、sweetsたっぷりなSSですよねvv
本当に、ありがちょーですvv

こんな素敵なSS満載のりか様のサイトには・・・
こちらから、どうぞvv

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