貴方の傍で





「あの・・・、ナミさん」
「あら?何かしら、サンジくん」
この少しだけ寒い冬島に辿り着いて、今日で6日目。
ログが溜まるのに10日かかるというので、ゴーイングメリー号はゆっくり港に腰を落ち着けていた。
冒険好きの船長は、今日も朝から『冒険』に出て行き。
嘘吐きな狙撃手と可愛い船医は、2人で街に買い物へ。
そして腹巻の剣士も、『刀を砥ぎに行ってくる』と街へ行ってしまった。
船に残っているのは。
可愛いコックと有能な航海士と謎めいた考古学者だけ。
「今日は買い物に行かなくていいの?コックさん」
「はい。急ぎの買い物はないんで」
コポコポと2人のカップに紅茶を注ぐと、サンジは恥ずかしそうに口を開いた。
「あ、あの・・・、明日なんですけど」
「明日?明日がどうかした?」
「えっと・・・。夕方から出てもいいですか?」
「夕方から・・・?」
「あ、あの・・・・・・・・・・・・
ゾロと2人で
最後の方は小さくて聞き取れないくらいだったけど、聡い2人の耳にはちゃんと届いた。
「ゾロと?なんでまた?」
「う゛・・・・・・」
ナミの当然の突っ込みに、サンジは顔を真っ赤にしてしどろもどろになる。
ロビンはそんなサンジに、穏やかに笑いかける。
「コックさん、なんとなくわかっちゃったわ」
「ロ、ロビンちゃん・・・・・・!」
照れるサンジを見て、どうやらナミも気付いたらしく。
「成る程ね、そういう事か・・・」
「ほんと可愛いわね。ふふっ。」
「ほーんと。憎らしいくらい可愛いんだから」
女性2人に『可愛い』を連呼され、サンジはますます赤くなる。
「ま、いいわ。私もその気持ち、わからない訳じゃないし」
「好きな人とは、一緒にいたいものよね」
ナミの頭には、冒険好きの船長が。
ロビンの頭には、何処にいるかわからない奔放な男が。
それぞれ浮かんでいたのは、サンジには秘密。
「で?ちゃんとプランはたってるの?」
「はい!」
本当に嬉しそうに笑うサンジに、2人も笑みを隠せない。
「ならいいわ。その代わり、明後日の夜までには帰ってきてね?」
「わかってます」
明後日の夜は、みんなでお祝いするから。
そう、明後日は・・・・・・・・・。
ゾロの誕生日。




夜。
みんなが眠りに就いた時間、サンジはまだキッチンに残っていた。
明日のみんなの分の食事の下準備をしていたから。
「よしっと・・・」
それも終わり、キッチンを綺麗に片付けて、サンジはキッチンを出た。
煙草を吸うため、ポケットに手を突っ込んだら。
指先に触れた感触。
その感触に自然と頬が緩んでしまう。
「へへっ・・・v」
コックが想うは、愛しい剣豪の事。
「待ってろよ〜、ゾロv」








そして翌日。
空が夜の色に染まった頃、サンジは甲板に出てゾロを探した。
だが探すまでもなく、ゾロはすぐに見つかった。
いつもの定位置でぐっすり眠るゾロ。
サンジは起こさないようにそうっと近づくと、ゾロの寝顔を観賞する。
瞼を閉じると、少しだけ幼さの滲む精悍な顔。
日に焼けた肌が、よりゾロを逞しく見せる。
(かっこいいなぁ・・・。俺の・・・・・・・・・・・・恋人、なんだよなぁ)
そう思ったら、恥ずかしくなってポンと顔が火照った。
(な、何やってんだよ、俺・・・)
照れくささを隠すように煙草を揉み消すと、ゾロを起こそうと手を伸ばした。
その時。
「っ!!」
伸ばした手は大きな手に掴まれてしまった。
「ゾ、ゾロっ!?」
「・・・おぅ」
「お、お前っ!起きてたのかっ!?」
「いや・・・・・・、まぁ・・・」
「おっ、起きてんならさっさと起きろよなっ!!」
ひょっとして、自分が見惚れていた事に気付かれた?
なんだかものすごく恥ずかしくて、掴まれた手をぶんぶん振る。
「なんだよ?」
「は、離せよっ!」
「やだって言ったら?」
「ゾロっ!!」
「わかったよ。じゃあ・・・・・・」
ずいっとゾロの顔が近づいてきて、サンジの胸が高鳴る。
「キス、してくれよ」
「はぁっ!?」
「キスしてくれたら、手離してやる」
「なっ、なんで俺がんな事っ・・・!!」
「嫌ならいいんだぜ?その代わり、離さねえから」
にぃっと笑うゾロに、サンジは自分の敗北を悟った。
「こんの、卑怯者っ!!!」
「なんとでも言え」
「〜〜〜っ、わーったよっ!!その代わり、先離せっ!」
「逃げんなよ?」
楽しそうに笑うと、ゾロはあっさりとサンジの手を解放した。
そんなゾロを睨みながらも、サンジはゾロの目の前にしゃがみ込む。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・瞳、閉じろよ」
「こうか?」
すっと深緑の瞳が閉じられる。
その顔にどきどきしながらも、辺りの様子を確認するのは忘れない。
甲板に誰もいない事を確認すると、サンジはそうっと顔を寄せて。
『ちゅっv』
可愛らしいキスをゾロに贈った。
あっさりと離れてしまった唇に、ゾロはつい瞳をぱちくりさせてしまう。
「も、文句あっか!?」
本当はもっとちゃんとしたキスをして欲しかったけど。
真っ赤な顔のサンジを見たら、『ま、いいか』なんて思えた。
「いーや、さんきゅ」
今度はお返しとばかりに、ゾロからキスをした。
「馬鹿っ・・・」
どんどん赤くなるサンジが可愛くて、そっと手を伸ばしたら。
急にサンジは立ち上がった。
「あ?」
「ゾロ!街行くぞ!!」
「今からか?もう夜だぞ?」
「いいからっ!」
「おっ、おい」
いつになく強引なサンジに、ゾロは珍しく慌ててしまう。
「今日は2人でホテルに泊まるぞ」
「はぁ???」
「大丈夫!ナミさんに許可も貰ってるし、予約も取ってるんだ♪」
なんで自分達がホテルに泊まるのか、ゾロには全く心当たりがなかったが。
自分の腕を引っ張るサンジが、とっても楽しそうに笑ってるから。
(ま・・・・・・、いいか)
そんな2人を、後ろから見送る2つの影。
「あらあら・・・。お熱い事で」
「ふふっ。本当に仲がいいわね、あの2人は」
「いい迷惑だけどね」
「あなたと船長さんも仲良しでしょ?」
「・・・・・・・・・お兄さん、遊びに来ないかしらぁ」
「・・・・・・意地悪ね」
「ロビンこそ」








夜の帳に染まった街の中。
寄り添った2人が向かっているのは、この島でも有名な大きなホテル。
その最上階のスイートルームを、サンジは予約していた。
こっそり貯めていたお金をはたいて。
(ゾロ・・・・・・・・・、喜んでくれるかな・・・?)
ちらと横目で窺えば、ゾロと瞳が合って。
ふっと穏やかに微笑まれて、心臓が大きく跳ねる。
吸い込まれそうな深緑の瞳から、どうにか視線を逸らす。
(やば・・・・・・。緊張してきた・・・・・・)
今から自分がしようとしている事は、かなり大胆な事で。
人生最大の勇気かもしれない。
(でも・・・・・・、でも・・・)
サンジはそっと手を伸ばして、ゾロと手を繋ぐ。
「サンジ?」
ゾロは少し驚いた。
いつもはこんな場所で、サンジから手を繋ぐなんて事はないから。
酷く恥ずかしがり屋の恋人は、人前でいちゃつくのを酷く嫌がる。
それが照れからだとはわかっていても、やっぱりいちゃつきたいのだ。
だからこんな展開は嬉しくて、今すぐにでも抱きしめたくなってしまう。
でもそうしたらきっと、サンジは逃げてしまうから。
(今は我慢だな・・・)
そう想えるのも。
横にいるサンジの耳が真っ赤だったから。








辿り着いた豪奢なホテルの部屋に、ゾロはぽかぁんと口を開いていた。
「ん?どうした?」
「お前、ここ・・・。スイートじゃねえか」
「そだけど?」
「よく金があったなぁ・・・。ナミに借りたのか?」
「んーん」
「お前、自分で出したのか!?なんでまた・・・」
「いいからさ、風呂入ってこいよ」
「はぁ?」
「ほら、早くっ!!」
ぐいぐいと背中を押してくるサンジに、ゾロはとうとう根負けした。
「あーもう!わーったから押すな!!」
さっきから全然わからない。
いつになく、強引なサンジの行動。
それが何故か何処か照れくさそうにしてるから、なんとなく聴けなくて。
結局流されるままに、ゾロはバスルームへ消えていった。
残ったサンジは、ちらりと時計を窺う。
時刻は午後11時41分。
ゾロがあがってくる頃には、ちょうどいい時間になっているだろう。
ゾロが風呂に入っている間、サンジは少しイメージトレーニングをしてみる。


(えっと・・・、やっぱ最初は『誕生日おめでとう』かな?)

(んーでも・・・、なんか安直な気が・・・)

(もっとぐっと雰囲気のある言い方ってないかな?)

(ま・とにかく、おめでとうって言ってそれから・・・・・・)

「何してんだ?」
「うわっ!!!」
すっかり自分の世界に入っていたサンジは、ゾロがあがってきた事にも気付かなかった。
慌てて立ち上がると、まだ少し身体が濡れたままだった。
「はっ、早かったな!」
「そうか?」
ゾロが何気に時計を見ると、午後11時58分。
「お前は入んねえのか?」
「う、うん・・・」
ちらちらと時計を気にするサンジ。
「時間がどうかしたのか?」
「え、いや、その・・・・・・」
酷く言いにくそうにするサンジに、少しだけむっとしてしまう。
「なんだよ、さっきから。はっきり言えって」
「も、もうちょっと待って・・・・・・」
しつこく時計を気にするサンジを、ゾロはぐっと掴まえる。
「ゾ、ゾロっ!」
「言え」
「ま、まだ駄目だっ・・・!!」
「なんなんだよっ、一体!!!」
ゾロがつい、声を荒げてしまった時。
大きな壁掛け時計が、ボーンと時を告げた。
その音に2人して時計を見ると、時刻は午前0時。
その瞬間、ぱあっとサンジの顔が明るくなって。
いつもの可愛らしい笑顔で、ゾロに向き合う。
「ゾロっ、誕生日おめでとう!」
「あ?」
「日付変わったから・・・。今日は11月11日だぜ?」
「あ・・・、そっか・・・・・・。今日は俺の誕生日か・・・・・・」
「その様子じゃ忘れてたんだろ?」
くすくす笑うサンジに、ゾロはばつが悪くなって誤魔化すようにそっぽを向く。
「しゃーねえだろうが・・・・・・」
「ゾロ、これ」
突然目の前に差し出された、小さな小さな箱。
淡いグリーンの包み紙でラッピングされたソレを、サンジはゾロに差し出す。
「・・・・・・・・・なんだ?」
「俺からの誕生日プレゼント」
「俺に・・・・・・?」
「ゾ、ゾロに似合うと想って・・・・・・・・・」
照れたようにはにかみながら、サンジはゾロの手に箱を握らす。
「・・・・・・・・・・・・開けていいか?」
「うんっ」
ごつごつした剣士の指が、しゅるっとリボンを解き包み紙を開けていく。
そして現れた小さな箱に入っていたのは―――――――――。
静かに光る、銀のピアス。
「そっ、それな?この街についた時、見つけてさっ。ゾロに似合うと想って、そんで・・・」
「ひょっとして・・・・・・、作ってもらったのか?」
「う、うん・・・。だって3つセットのピアスってなかったから・・・」
頬を赤くしながら話すサンジに、ゾロは幸せそうな笑みを浮かべて。
今つけているピアスを外して。
「サンジ。これ、つけてくれよ」
「俺、が・・・・・・?」
「ああ」
「う、動いちゃ駄目だぞ?」
僅かに震える指先が、ゆっくりとピアスをつけていく。
それがなんだかくすぐったくて、ゾロはつい笑ってしまう。
「で、出来たぞ・・・・・・」
しゃらっとピアスのぶつかり合う金属音の後、サンジの手が離れていった。
真正面からゾロを見つめて。
「うん・・・。やっぱり似合う・・・v」
えへへと笑うサンジが、たまらなく愛しい。
「サンジ、さんきゅな」
「えへへ・・・。ナミさんに我儘言っちゃった・・・」
「我儘?」
「うん・・・・・・。どうしても・・・・・・・・・、一番最初に言いたかったから・・・」
去年のゾロの誕生日には、自分はまだ船に乗っていなくて。
だから今年は、誰よりも早く『おめでとう』を伝えたかった。
「おめでとう・・・・・・・・・」
貴方が生まれてきてくれてよかった。
貴方の傍で、こうしてこの日を迎えられた事を、とても嬉しく想う。
「ありがとう・・・」
生まれてきてよかった。
こんなにも貴方が傍にいてくれる事を、誇らしく想う。
静かな部屋で互いを抱きしめて。
まるで神聖な誓いのように、くちづけをした。




「ふっ・・・、んんっ」
誓いのようなキスは、気付けば激しく深いものに変わっていて。
飲み込みきれない雫が、サンジの口端から溢れ顎を濡らす。
それを追いかけるように、ゾロの舌が滑っていく。
「ひ、あっ・・・」
「サンジ」
いつの間にかサンジは、大きなキングサイズのベッドの上に押し倒されていた。
そして触れるゾロの身体は、熱く猛っていた。
「あっ・・・・・・」
「すっげぇしてえ」
自分でも笑ってしまいそうなほど、余裕のない台詞。
自分自身忘れていた誕生日。
誰よりも先に、『おめでとう』をくれた恋人。
そして耳に輝く想い。
「いい、よ・・・・・・。今日は・・・ゾロが生まれた日だから・・・・・・・・・」
真っ赤な顔で、自分から唇を寄せる。
「いっぱい好きな事・・・・・・・・・、して?」
「・・・・・・いいのか?」
「うん・・・。だって今日は・・・・・・・・・、ゾロの誕生日だもん」
えへへと笑うサンジが、とっても可愛い。
濡れた唇にもう一度キスをして、ゆっくりと黒いスーツを脱がしていく。
すっかりサンジを裸にした後、ゾロは自分の服も脱ごうとした。
「あっ、駄目っ・・・!」
「あ?」
『駄目』とはどういう事だろう?
まさか着たまましろと言っているのだろうか?
そんな事を考えていたら、真っ赤なサンジがゾロの服に手をかけた。
「サンジ?」
「今日は誕生日だから・・・・・・・・・。おっ、俺が脱がしてあげる・・・」
恥ずかしいのかサンジは、ゾロの顔を見ないまま早口でそう言った。
そして微かに震える手で、ゾロのシャツを脱がしていく。
そのたどたどしい様子に、ゾロの頬はでれんと緩みっ放しで。
それがまた恥ずかしくて、サンジはもっと赤くなる。
そして腹巻も脱がせて、残すはズボンのみ。
その股間は既に膨らんでいて、サンジはたまらなく恥ずかしくなる。
「馬鹿・・・・・・・・・」
「仕方ねえだろうが。お前のせいだ」
全く恥ずかしがらないゾロの代わりに、サンジばかりが恥ずかしがる。
「こっ・・・、腰上げろよっ・・・」
「おう」
にやにやと顔を崩しながら、ゾロは言われた通りに腰を持ち上げる。
サンジはそのまま勢いをつけて、下着ごとズボンを脱がした。
「っ・・・・・・!!」
途端に顔を見せたゾロ自身に、サンジはついつい視線を逸らしてしまった。
だって。
まだ何もしていないというのに。
ゾロのソレは、もうすっかり天を向いていて。
ゾロがどれだけ興奮しているか、嫌でもわかってしまう。
「お前・・・・・・・・・、馬鹿すぎ」
「可愛くない事言うなよ?誕生日なんだから、サービスしてくれんだろ?」
「そ、だけど・・・・・・」
「サンジ」
優しく名前を呼ばれて視線を上げると、とっても優しく微笑んだゾロ。
ベッドヘッドに背中を預けて、その逞しい両腕を広げて。
「おいで?」
「っ・・・」
たまにゾロが言うこの言葉。
とっても甘やかされてる気がして、たまらなく幸せで。
サンジは可愛らしく微笑むと、ぎゅうっとゾロに抱きついた。
「ゾロ、大好きv」
「俺もだよ。サンジ、大好きだ」
「今日はいっぱい・・・・・・、してあげるv」
「そりゃ楽しみだな」
「瞳、閉じて・・・?」
言われた通り、ゾロはそっと瞳を閉じる。
すると柔らかくて甘いサンジの唇が、ふんわり重なってきた。
サンジからのキスは珍しい。
人一倍恥ずかしがり屋だから、どうしても躊躇ってしまうらしくて。
そんなサンジも可愛いから、ゾロも別段強制したりはしない。
ただ。
たまにこうしてサンジからキスを貰うと、とてつもなく幸せになれる。
「んぁ・・・、ふっ」
くちゅくちゅとぎこちなく舌を絡めてくるサンジは、とても可愛くて。
つい自分から舌を動かそうとしたら、途端に唇が離れていった。
何事かと瞳を開けたら、ぷうっと頬を膨らませたサンジ。
「あ?どうした?」
「きょっ、今日は俺がしてやるんだからっ。ゾロがしちゃ駄目っ!!」
どうやらサンジは本気で怒っているらしく、『む〜』と睨んでくる。
それに苦笑して、ゾロは両手を上げる。
「わかったわかった。なんもしねえよ」
「よしっ♪」
にかっと子供みたいに笑うと、サンジはゾロの首筋に唇を寄せて。
太い首にちゅうっと吸い付いた。
「んっ・・・」
微かに漏れたゾロの色っぽい声に、下半身がぞくんと痺れる。
そのまま唇を滑らせて、ゾロの肌にキスを繰り返す。
そして辿り着いた、下腹部。
「ぬ、濡れてるっ・・・・・・」
「すっげぇ感じたからな」
「意地悪・・・・・・」
「ほんとだって」
確かにサンジの愛撫は拙いものだが、想いがこもっているのが伝わってくるから。
嫌というほど、身体は反応する。
「・・・・・・・・・どして欲しい?」
「そりゃもう」
ゾロはいやらしく笑うと、サンジの唇をそっと撫でた。
「この可愛い唇で・・・・・・な?」
ゾロが何を求めているかなんて、もう嫌というほどわかっているから。
サンジは耳まで真っ赤に染めながらも、ゆっくりと昂ぶったゾロ自身にくちづけた。
途端にびくっとなるソレに、何故か嬉しくなって。
「ふ、んぅ・・・・・・」
精一杯口を大きく開いて、ゾロを口に含む。
それでも入りきらない部分は、手で握りこむ。
「んっ、ふは・・・」
ちゅく、ちゅうっ・・・・・・。
「っ・・・!!」
静かなベッドルームに、濡れた卑猥な音と押し殺したようなゾロの声が響く。
いつもゾロがしてくれるように。
先端に甘く歯を立てて。
括れの部分にちゅっと吸い付いて。
幹をあむあむと甘噛みして。
先端の窪みを舌先で突いて。
「っは・・・・・・」
どんどんと溢れてくるゾロの雫を、サンジは零さないようにぺろぺろと舐めとる。
「んぁ・・・、んんっ」
舌を動かすたびに、大きくなっていくゾロ。
(感じてくれてんだ・・・・・・v)
「ゾロ・・・、気持ちい?」
「ああ・・・、最高だ」
そう言うとゾロは、サンジの金髪を柔らかく撫でた。
なんだか褒められた気がして、すごく嬉しい。
もっともっと感じて欲しくて、サンジは手でゾロを扱き出す。
口は先端を含んだままで。
「んっ、ん・・・・・・」
「っ・・・、サンジっ・・・!出すぞっ・・・?」
「んんっ」
切羽詰ったゾロの声を、何処か遠くで聴きながら。
ゾロを促すように、サンジは一際手を激しく動かし、強く吸い上げた。
「くっ・・・!!」
次の瞬間。
ゾロがびくんと脈打ち、サンジの口内に熱い雫が放たれた。
「んくっ・・・!」
口内に溢れたソレを、サンジはそのまま飲み込んで。
ゾロを綺麗にするように、残滓まで舐めとる。
「サンジ・・・。すっげよかった」
「ほんと・・・?」
「むちゃくちゃキた」
「へへっ」
嬉しそうに笑うサンジの顔についた自身の雫を、ゾロは指で綺麗に拭う。
「ほら」
その指をサンジの口元に持っていくと、サンジの舌がぺろりとソレを舐めとった。
「ゾロの・・・・・・v」
「馬鹿」
「ね、ゾロ・・・。舐めて・・・?」
そう言いながらサンジが差し出したのは、綺麗なコックの指。
「ああ?」
「ね、舐めて?」
サンジが何を考えているのかはわからなかったが。
とろんと潤んだ瞳で、じいっと見つめられたら。
もう逆らえない。
ゾロは白くて細い指を咥えると、舌を絡ませた。
「んっ」
まるでサンジ自身を愛撫するような動きで、綺麗な指を舐めていく。
わざと音をたてて吸い上げたり、指の腹に噛み付いたり。
そのたびに跨ったサンジの身体がぴくっと反応して。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・可愛い)
必死に快感に耐えるサンジを見つめながら、ゾロはどんどん指を濡らしていく。
「あ・・・、ゾ、ロっ・・・」
「感じるか・・・?」
「んんっ」
ちゅうっと指を吸い上げると、サンジが恥ずかしげに身を捩らせた。
「もっ、もいいっ・・・」
これ以上されたら、指だけでイってしまいそうなほどで。
サンジは慌てて、ゾロの口から指を引き抜いた。
そんなサンジの様子を、ゾロは楽しそうに見ていた。
「な、ゾロ・・・・・・。俺の事・・・、支えてて?」
そう言うとサンジは腰を持ち上げて、片手をゾロのおなかにつけた。
ゾロは言われた通り、サンジの腰を両手で支える。
そしてサンジのとった行動は―――――――――。
「あっ、あぁんっ・・・」
「っ・・・!?」
濡れた指を自分の中に埋め込んだ。
「あ、やぁっ・・・」
ぐちゅっと濡れた音と共に、綺麗なサンジの指が消えていく。
その様をゾロは凝視していた。
まさかサンジがこんな事をするとは。
いつもなら自分が柔らかくなるまでほぐしてやる、ソコ。
ソコに今、サンジの指が埋まっていく。
「サ、サンジ・・・・・・」
「あ、あんっ・・・。ゾロぉ・・・」
サンジは指を埋め込むと、自ら腰を動かし出した。
腰が動くたび、ぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。
「や、ふあぁんっ・・・!ゾロっ、ゾロっ・・・!」
青い瞳から零れる涙を、ゾロはじぃっと見ていた。
自分のためにここまでしてくれるサンジが、たまらなく可愛くて愛しくて。
ぽろぽろ零れる涙を、優しく舌で拭い取る。
「ゾロっ・・・、やだっ・・・!あぁんっ」
初めて触れる、自分のナカ。
そこはいやらしい動きで指に絡みつき、熱く締め付けてくる。
(やだっ・・・!!指っ、止まんないっ・・・!!)
いつの間にか指は2本になっていて、どんどん動きが速くなっている。
「んん〜っ!!ゾロぉっ・・・!!!」
自分の身体の上で喘ぐサンジの姿態に、ゾロももうたまらなくて。
「ひあっ、ああっ!!」
すでにサンジの指が埋まっている箇所へ、自分の指を挿れた。
「やっ・・・!駄目っ・・・!!」
「悪いが我慢の限界だ」
埋め込んだ指をサンジの指に絡めるように、ゾロはゆっくり抜き差しを繰り返す。
「ふっ、んん〜〜〜!」
「熱いな・・・。それに・・・・・・・・・キツイ」
「そ、れはっ・・・!ゾロが・・・・・・挿れるからっ・・・」
「何を?」
「う〜・・・」
真っ赤になりながら唸るサンジに、らしくなく柔らかく微笑んで。
勢いよく指を引き抜いた。
「ああんっ・・・!!!」
その摩擦感で、触られてもいないサンジ自身から体液が放たれた。
ソレはぱたぱたと、ゾロのおなかに飛び散った。
「ふあぁん〜・・・・・・」
「サンジ」
すっかり涙で潤んだ瞳でゾロを見たら、ぺろっと頬を舐められた。
「お前、可愛すぎだ」
「馬鹿ぁ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・いいか?」
「う、ん・・・・・・」
ゆっくり腰を上げると、サンジは自らゾロを蕾に宛がった。
「ほんと、今日はサービス満点だな♪」
「だってぇ・・・・・・」
恥ずかしそうにしながらも、ゾロを蕾に擦り付けるサンジ。
「んっ、あ・・・はぁんっ・・・」
「サンジ、愛してるぜ」
「俺、もっ、ああっ・・・!!!」
ぐぷん、と。
下から突き刺さるように、ゾロが挿いってきた。
すっかり濡れていたソコは、難なくゾロを飲み込んでいく。
「あっ、あっ・・・!!」
自分の体重のせいで、一段と深く貫かれる。
「んん〜・・・・・・」
「サンジ」
「あ・・・、ゾロっ・・・・・・」
うるるんとした青い瞳は、壮絶な色香で。
ゾロは喉をこくんと鳴らすと、ちゅうっと濡れた唇に吸い付いた。
「サンジ・・・。好きだ。すっげえ好きだ。愛してる」
「ゾロぉ・・・」
「俺は世界一の剣士になるため、そして・・・・・・」
柔らかいけぶるような金髪を、くしゃりと撫でる。
「お前と出逢うために生まれてきたんだ」
本気でそう想った。
サンジは瞳をぱちくりさせた後、ぽろっと一粒涙を落として。
「ゾロ・・・。おめでとう。生まれてきてくれて・・・・・・ありがとう」
見た目よりも柔らかい優しい色の髪に、そうっとくちづける。
「俺・・・、いろんなものに感謝したい。ゾロを生んでくれたご両親や、ゾロに逢わせてくれたルフィ達・・・」
「そっか」
「ゾロ・・・。ずっとずっと、一緒に誕生日しよう?」
「勿論だ」
深く深く唇を重ねると、2人は存在を確かめるように何度も抱き合った。








貴方の傍で。
これからも。
何度でも。
貴方が生まれたこの日を。
2人で過ごそう。
貴方と巡り逢わせてくれた全てに感謝して。








END.







<コメント>

あゆみちゃまのサイトのゾロ誕部屋から拉致って来ましたvv
もう、サービス満点のサンジに、ゾロだけでなく、ルナもノックアウト!!
思いっきり、良い思いしてますよね、ゾロ・・・・
・・・・・・ルナも、ゾロになりたい・・・・・(遠い目・笑)
即、右クリックしてましたvv(何て手癖の悪い奴・・・-_-;)
こんな素敵で、エリョエリョラブなあゆみちゃまのサイトは、
こちらから、どうぞ〜vv


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