NEVER EVER

「ん・・・」

頬に触れる優しい感触で目が覚めた。

部屋の中はまだ薄暗くて、今が夜明け前だという事を俺に教えた。

僅かに身じろぐと。

「悪い、起こしたか?」

すぐ傍で響く、大好きな低い声。

少し頭を動かせば、飛び込んでくる深緑の瞳。

「んーん・・・、平気」

「まだ寝てていいぞ?」

「ゾロは・・・?寝ないのか・・・?」

そう訊ねると、ゾロの顔が嬉しそうに崩れた。

「眠れる訳ねえだろ?」

「・・・・・・なんで?」

「嬉しかったから」

「・・・・・・・・・・・・何が?」

「お前が可愛すぎるのが」

「っ・・・!!!」

それが暗に、昨夜の事を仄めかしているのだと気づき。

俺は一瞬で真っ赤になる。

「すっげー、嬉しかったぜ?あんなに積極的なお前、初めてだったし」

ゾロの言葉に、昨夜の痴態が思い出される。

「自分から誘って、自分から俺の舐めて、自分から俺に乗っかって・・・」

「わーっ!!言うなっ!!!」

恥ずかしげもなく動くゾロの口を、俺は両手で塞ぐ。

するとこもった笑い声が聞こえた。

「〜〜〜っ・・・!仕方ねえじゃんかっ・・・!!」

俺だって嬉しかったんだ。

昨日・・・、8月24日は。

俺達が付き合いだして、ちょうど半年。

それをゾロが覚えてるなんて思ってなかったから。

だから。

ゾロからデートに誘われて、宿屋でプレゼント貰った時は。

もう、嬉しくてたまらなかった。

プレゼントも勿論だけど、ゾロが覚えていてくれた事が。

何より嬉しかった。

「忘れる訳ねえだろうが。半年前の昨日、初めてお前とキスして」

ちゅっ。

小さなキスに俺は、目をぱちくりさせて。

「初めて・・・・・・、お前と寝た日なんだぜ?」

そう言ったゾロは、超かっこよくて。

「っ・・・!」

俺は不覚にもときめいてしまった。

「お前、顔赤い」

「うるさいっ!!」

ばさっとシーツに潜ると、その上からゾロに抱きしめられた。

心地よい体温が、シーツ越しに伝わってくる。

「サンジ・・・・・・」

ただ、名前を呼ばれただけなのに。

どうしてこんなに緊張しちゃうんだろう。

そうっと頭を出してみると。

見惚れるくらいの笑顔。

「ゾロ・・・・・・」

「愛してる」

ふっと潜められた声は、ちゃんと俺の耳にも届いて。

「俺、も・・・、愛してるっ・・・。ゾロが・・・好き」

緊張で震えてる手で、ゆっくりゾロの頬に触れる。

その手を掴まれて、掌に降るキスの雨。

その薬指には光るシルバーリング。

「ずっと・・・・・・、一緒にいて・・・?」

「当然だ。嫌だっつっても、もう離さねえ」

真摯な瞳に涙が零れて。

強く抱きしめられる。

とくんとくん、と。

規則的に響く鼓動に安心して。

俺はまた眠ってしまった。

その眠りの渕で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対離さねえ。

これからも。

逝く時も一緒だ。

何があっても離さねえ。

愛してる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな呟きが聞こえた。

 

 

 

 

 



<コメント>

あゆみ様のサイトUP半周年記念のDLF小説GET!!
いつ読んでも、ゾロが格好良く、優しくて、サンジが可愛くて・・・
キュートというのは、こういうサンジのことを言うのでは・・・
うちのは、名前負けしてるし・・・(-_-;)
何か、いっぱい貰っちゃって、悪い気もしますが・・・
うちの華は、ここなので・・・頂くモノは、頂いてやるぜ・・・

こんな素敵な、あゆみ様のサイトは、
こちらから・・・



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