サン誕treasure

あなたに逢えて良かった

　ゾロは・・・憶えてるかな？

　俺達の・・・結婚記念日
　色々あったけど・・・・
　俺、ゾロと一緒になれて良かったよ・・・・？
　俺は、オールブルーを求めて
　ゾロは、世界一の大剣豪になる
　その目的の前に・・・俺達は結ばれた
　いつも一緒にいたいから
　離れたくないから・・・・・

　これだけは憶えてる
　サンジが、その日に完全に俺のモノになった瞬間
　もう、絶対離さない、
　逃がさない
　俺に捕まった以上は俺のモノだ
　俺が死ぬまで・・・・
　サンジは俺のモノだ
　そこまで、俺が本気になれた相手――――――――――――
　守りたい
　その想いだけは

　二人の関係が順調よくいって、結婚してまる一年になる。
　ゾロの独占欲振りとサンジの甘えた振りは相変わらずで。
　クルーの面子を困らせる日々が続くのは、おそらく、ゾロとサンジが別れるまで続くと思わ
　れている。
　ゾロの筋肉トレーニングが終われば、タオルとキスがサンジから降りてきて。
　キスをするだけなのに。
　それだけで。
　二人だけの世界に突入してしまう。
　ゾロの場合、自分の独占欲がとてつもなくサンジには強い為、公衆の面前で堂々と見せ
　付けるのが　習慣になっていた。
　サンジはサンジで、独占欲振りを発揮される事に関して一切の抵抗力などなく。

　目の毒。

　正にその言葉の通りだった。
　クルーの面子にとって、その行為はずっと前から続いている事なので今更目の毒・・と思う
　面子は　いなかったものの。
　公衆の面前でも、離れていたくないのが本人達の本心でもあるので。
　最近仲間になったニコ・ロビンでさえ・・・それが当たり前の風景になっているというのを
　思われている。

　俺の夢を叶える為には
　俺自身、もっともっと強くならなければ
　いけないのが現実で
　死ぬ事さえ　当たり前のようになる
　だが、俺は死ぬ訳にはいかない

　自分の夢と
　サンジだけは絶対・・・
　失くしたくない

　辛い想いは・・・あいつだけで十分だ
　大切な物を失ってから
　初めて知る、
　心の痛み
　それを経験している者でないと
　分かるはずもない
　そんな経験をサンジもしていた

　クルーの面子は、そういった苦い経験が多い。
　ルフィは、自分の街に来ていた海賊のシャンクスの左腕を失い
　ナミは、アーロンによって血は繋がってはいないが義母のベルメールを殺されて
　ウソップは、小さい頃に母親を亡くした
　ゾロは、ライバルだったくいなの突然死
　サンジは、ゼフの片足
　そんな苦い経験ばかりしているのに、一番惹かれたのはサンジだった。

　初めて逢った時から、ゾロはサンジに一目惚れをした。
　それは、サンジにも言える事だった。
　最初の印象は、クルーの面子が呆れるほど仲が悪かったのに。
　自分の気持ちに気付いてから。
　その態度は一変する。
　最初にサンジと付き合う・・・というか一緒にいたのはルフィだった。
　ルフィもまた、独占欲の強い方ではあるから。
　公衆の面前でイチャイチャする行為は実はルフィから始まっていたのだ。

　その時のサンジの気持ちは――――――――――――
　ルフィにはなくゾロに向けていた。
　ゾロとは何かある度に衝突していたのに。
　何故、自分の気持ちがゾロに行ったのだろうと思う。
　何故だか分からないけれど。
　ルフィではなく、ゾロの方が好きだった。
　そして、自分は一か八かの賭けに出たから。

　それは、寝惚けるのを装って
　ゾロにキスをした。
　ゾロは、自分とキスをしたらどうなるだろう
　自分の気持ちを伝えたらどうなるだろう
　また・・・・険悪なムードになるのかな・・・・・？
　と思っていたのとは裏腹の結果。
　ゾロは、自分を受け入れてくれた。

　ゾロは俺にとって大切な人で
　失いたくないくらい
　今自分がとても大切な人
　そんな気持ちになってから
　ゾロがすごく好きになっていた
　そして、ゾロから略奪とは言え言われた言葉は
　「・・・俺は・・・てめーが・・好きみてーだ。だが・・・・ルフィに・・・渡したくねえ・・・！！
　てめーにこいつは、やらねえ！！」
　完全に告白された

　その時の気持ちは、驚きと嬉しさで一杯だった
　ゾロも、俺の気持ちと同じだったんだ・・・と
　思うとすごく嬉しくて・・・・
　涙が心の中で溢れていた
　この瞬間から、俺の心は
　完全にゾロのモノになって
　今では、結婚して一年にもなるのに
　昔と変わらずお互い好きだと言うのを強調している

　ゾロの嫉妬から始まって
　ゾロの告白から終わって
　そこから始まった　俺達の付き合い
　そして、結婚

　ゾロに気持ちが伝わって
　ゾロと関係を持つようになって
　ゾロに永遠の誓いをして
　一緒になった
　一番一緒にいたい人となれてすごく嬉しくて
　この幸せが続いてもらいたいって
　願って
　一年になった

　俺のヤキモチから始まって
　略奪するとは自分でも思わなかったが
　汚い手を使ったかもしれない
　けど、そうでもしなきゃ
　サンジは自分のモノにはならなかった
　自分の人生を掛けても
　一緒にいたくて
　離れて欲しくない

　大切な人

　失う事はもう嫌だ
　自分の前から完全にいなくなるのも嫌だ

　ドコニモイカナイデ
　ジブンカラハナレテイカナイデ・・・・
　ジブンカライナクナラナイデ・・・・

　俺の心の中に大切な人は一人だけで良い
　あいつを失う事など考えたくない
　あいつがいなくなる事も・・・考えたくない

　執着――――――――――――

　そんな言葉じゃ俺の中では片付かないくらい
　あいつが好きだから
　あいつを・・・愛してるから・・・・
　自分の夢が叶っても、あいつと一緒にいたい
　あいつと一生を共にしたい

　俺は
　あいつに逢えて良かった
　自分の気持ちに気付くのは遅すぎたが――――――――――――
　俺のモノになった
　誰にも渡さない
　誰にも、触れさせない

　俺は
　ゾロに逢えて良かった
　自分の気持ちに正気になって良かった
　賭けをしてみて良かった
　ゾロは・・・もう俺のモノ
　ゾロがそう思うなら
　俺もそう思う
　ゾロは・・・・誰にも渡さない

　あなたに逢えて良かった――――――――――――
　きっと私――――――――――――！！！

　ＥＮＤ