「サンジ・・・サンジ・・・」
「ああん・・・ゾロ・・・お願い・・もっと・・」
「く・・・締めんなって・・・だから・・・」
「やぁ・・・らめ・・抜かないで・・・このままもっと突いて・・・
あぁん・・・ああ!!」
サンジも中は何度も吐き出したオレの精で溢れて・・・。
最奥まで楔が届く。
「ああ!!もっと・・・もっと・・いやああ!!」
サンジの腰がうねり、その白い肌に精が飛び散る。
コンナに求めるサンジは珍しく。
サンジはクタリとしてしまった。
いったい今夜何度、その精を吐き出しただろう?
いったいどうしたと言うのか・・・。
それでも心配をよそに、俺の身体は正直で求められると反応する。
それも、かなり顕著に・・・。
射精するサンジの中は、もの凄い勢いで収縮しオレを追い上げていく。
さらに奥へ・・・さらに快楽へ・・・
「くぅ・・・ふ・・・」
今夜何度目なのか・・・
その柔らかいうねりに誘われて、
既にいっぱいになっているサンジの中へ・・・
熱い精を吐き出す。
「はぁ・・・はぁ・・・」
射精の開放感と、けだるさの中。
オレはサンジの顔を覗き込んだ。
疲れ果てて・・・すでに失神している。
「・・・いったい・・なんだ・・・どうしたんだよ・・・」
柔らかく、熱いサンジの中を名残惜しく感じながら・・・
オレは自分自身をサンジから抜き出す。
その感覚にサンジは反応して振るえた。
目の前にあるピンクの幹がヒクリと震えた。
同じ男のモノなのに・・・
こんなに愛しいと思うのは・・・
なんなのだろう・・・
気を失ったサンジをそっと抱きかかえ、膝の上に座らせる。
ぎゅっと抱きしめても・・・今だ気がつかない。
「なぁ・・・どうしたんだよ・・・サンジ・・何があったんだよ」
サンジを抱きしめながらサンジを思う。
いつもなら恥ずかしがって・・・服を脱ぐのさえ戸惑う有様なサンジ・・・。
今夜はいきなりオレの手を掴んで、格納庫まで連れてきた。
そして、いきなり・・・
いきなり・・・
『ゾロ・・・抱いて・・忘れさせて・・・』
何を忘れたい?
サンジ?
何があった・・・。
何がお前をそんなにさせるんだろう。
オレは本来なら、その場でサンジを抱きしめて話を聞いてやればよかった。
なのに、
あの時のサンジは
あのサンジは
あまりにも儚くて・・・小さくて
苦しそうで・・・
そして・・・そして・・あまりにも
妖艶でいたから・・オレの身体は、簡単に反応してしまっていた。
腕の力を強めて・・・サンジを抱きしめる
何があった?
何が・・・そんなに忘れたい・・・?
サンジ・・
サンジ・・
返事をしてくれよ・・・・
目を覚まさないサンジを、いつまでも待った。
けれどいつまでも、このままサンジをほおって置けなくて・・・
処理とその身体を綺麗にする為、風呂場にいく。
サンジを宝物のように抱え上げて・・・。
サンジとつきあい始めて・・・もうスグ半年か
あと一ヶ月で半年くらいか・・・?
何度も肌を重ねた
キスもした
こんなにたくさんの時間を過ごした・・・
ピチャン
ぬるい湯につかりながら
膝に抱えたサンジの肩に湯をかけてやる。
向かい合わせになる形で、サンジを抱きしめる。
サンジの鼓動をオレと重ねて・・・幸福を感じる。
細い身体を抱きしめて・・・
気がついた・・・
今、サンジの身体を頭で描くことができる
敏感な所も
サンジ自身の形も
色も・・・
そしてサンジすら見る事のほとんど無い
オレをおいしそうに銜え込むアソコも
中のいい所も
声も・・・
オレはみんなの知らないサンジを知ってる
気がついた
オレはサンジの事を知らない・・・
何を考え
何を思い
何が好きで・・嫌いで・・・・
わからない事に
今気がついた・・・
「サンジ・・・サンジ・・何があったんだよ・・・」
今日サンジが一日何をしていたか
オレは知らない
腕の中でサンジが微かに揺れる
「サンジ・・・気がついたか・・・」
「う・・・ん・・・」
大好きな蒼い瞳が揺れて、サンジが危うい視点でオレを見た。
「・・・・ゾロ・・・?俺・・・・」
「サンジ・・・大丈夫か・・?」
サンジは、今自分の格好に驚いて、身体を桜色に染め上げる。
その姿が愛らしくて・・・ぎゅうっと抱きしめた。
「ゾロ・・・あの・・・俺・・・俺・・・」
サンジは抵抗せずに俺の気が済むまで抱きしめる事を許してくれる。
甘えさせてくれる・・・
いつでも、その優しい微笑で
いつでも、その包容力で
オレを甘やかしてくれる・・・
じゃあ・・オレは??
「どうしたんだ・・?サンジ・・・今日は・・・」
抱きしめながら真っ赤な耳に囁く。
こういう時人はあまり顔を見られたくないものだと思うから・・・。
「あの・・・その・・・」
サンジは身体をピタリとくっつけながら言葉を濁す。
その様子に苦笑しながら
オレはそっとサンジの身体を離す。
サンジは甘やかしてくれる
気がつけば側にいて
気がつけばオレの欲したものをくれる
優しく
優しく
オレを愛情の言葉と行動で優しく甘やかしてくれる
優しく他人を大事にするサンジ
オレは甘えてたよな?
サンジに
その心の優しさに
オレばかりが癒されて幸福で・・・
サンジ・・今度はオレの番だよな?
「何が・・あった・・・?」
ゆっくり・・時間をかけて話を聞くよ
やっとなれた恋人の幸福感を独り占めしていたから・・・
その分もっと甘えさせてやるから・・・
「ふえ・・・あのな・・今夜・・な・・・」
「あぁ・・いい・ゆっくりでいい・・サンジ・・・」
オレは支えるから
サンジ・・・お前がオレを支えてくれた様に
支えてやれると思うから・・・
「ナミさんが・・・な・・・」
「うん・・・」
「あ・・・嵐・・・大嵐・・・来るって・・・ひぃっく・・」
「・・・サンジ・・・」
「俺・・昔・・俺・・・ふうぁ・・・」
気がつけば外の音が激しくなっていた。
何が怖いのか・・
オレは知らない・・・サンジは何かに怯えて
外の打ちつけ始めている雨音に
身体を震えさせた。
「俺・・・昔・・ジジィ・・・怖い・・怖いよ・・ひ!」
オレはサンジを抱き上げて風呂から出た。
サンジの身体にきつくバスタオルを巻きつけて。
「目ぇ瞑ってろ・・・まだ嵐の小さいうちに格納庫に戻るぞ・・・」
「ふううぇえ・・・」
サンジはオレに必死にしがみつきながら、コクンと頷いた。
何があった?
どうして、オレがいるのにあのジイサンを思い出すんだよ・・・。
何もかもが腹立たしい。
サンジを辛い思いにさせるこの嵐も。
ジイサンの事を呼ぶサンジも・・・
震えるサンジが濡れないように、
オレはサンジを抱えて格納庫に戻った。
「大丈夫か?サンジ・・大丈夫・・・!!」
「怖い!!いやぁ・・ふえ・・・ゾロ・・ゾロ・・・」
「サ・・サンジ・・・」
「側にいて・・・側にいて・・・」
サンジは子供のように泣き喚いて、オレを離さない。
「大丈夫・・・側にいるから・・・大丈夫・・・」
「店・・・店にいる時は・・一人で・・・怖くて・・・ジジィ・・・いないし・・・
ゾロ・・・・ゾロ・・・俺・・・」
「ほら・・・ゆっくり呼吸しろ・・・オレはここにいる話して・・・
明日までここにいよう・・・な?そしてら嵐も収まってるさ・・・」
「俺・・・俺・・・昔・・な・・・」
涙を浮かべた瞳から、そっと雫を拭う。
いつも不安だったろうに・・・
海の上に住む覚悟はどれ程だったろう・・・。
サンジは懺悔をするように、昔の話をした。
昔のっていた最後の客船の話・・・
その後の岩場の話。
泣き疲れるまで。
気が済むまで・・・サンジは叫ぶように俺に話して眠りについた。
明け方近くに、サンジは眠ってしまい。
オレはサンジのジャケットを引き寄せると、
中のタバコを一本取り出す。
『このタバコは俺の戒めなんだ』
サンジはそう言って泣いた。
自分を傷つけていないと、
生きている事が罪のように感じてしまうと。
優しいサンジ
優しくその優しさを強さと思ってしまった
間違っていたのにな・・・
格納庫にサンジの匂い。
タバコのにおい。
優しくある為にサンジは自分を傷つけて
いつでも自分を一番汚して
皆はただ喜んで
『優しいのね』と、言葉にする
サンジはソレを笑顔で受け止める
その優しい言葉はサンジを汚す
サンジを戒める・・・
オレの膝を枕にして眠るサンジ。
もういいから・・・
その髪に触って言う
「もう・・いいからな・・・優しくなんてなくていい
ずるく生きていいんだ・・・サンジ・・・
お前は綺麗だよ・・・心も何もかも綺麗だ・・・」
「大好きだからな・・・オレの側にいる時はずるく生きていいだ・・・
オレがうんと甘やかしてやる」
穏やかになった、外の風にほっとして。
オレは壁にもたれながら眠りについた。
甘やかされた、短い恋人期間を振り切ろう。
今日からはお互い歩み寄りながら・・・
大切なお互いをもっと・・・
もっと・・・知ろう・・・
なぁ?
サンジ・・・
朝の眩しい光に。
俺の体内時計は動き出す。
外の明るさに嵐が過ぎ去ったのを知る。
俺に膝をかしたまま・・・ゾロは眠っていた。
穏やかに・・・
その姿に安堵して、オレはゾロにそっと触れる。
まだ起きないで
もう少し
このまま・・・
昨日の事はあまりに取り乱して・・・
顔から火が出るくらい恥ずかしかったけれど
聞こえていたから
夢の中でも
ゾロの優しい声が聞こえていたから
「もう・・いいからな・・・優しくなんてなくていい
ずるく生きていいんだ・・・サンジ・・・
お前は綺麗だよ・・・心も何もかも綺麗だ・・・」
「大好きだからな・・・オレの側にいる時はずるく生きていいだ・・・
オレがうんと甘やかしてやる」
嬉しくて。
オレは朝の光を受けて立ち上がる。
何かが変わったような・・・
言葉に出来ないけれど
何かが変わった朝・・・
今までの無理な・・・作った自分はおしまい
なぁ?
ゾロ・・・俺は・・・俺の・・・
俺自身の姿でお前の前に立つよ・・・。
だから、
もっと甘えていいかな?
慣れた関係にどうか、慣れないで・・・。
自分を作って、恋をしないで・・・
きっと
それは相手に失礼だから
本当に大切なら・・・
何もかも曝け出して・・・
そして・・・
ちゃんと二人・・・歩み寄ろうよ
これからの時間の為に
まだまだ・・・長い恋だから・・・
<END>
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