Calling |
公園に天使がいる。 ・・・・・・・そう思った。 そいつは、ずっと夜空を見上げて・・・・ 悲しげな瞳で・・・・ ずっと・・・・・・・動かなかった。 周りに人は居なかった。 ただ、そいつの周りだけが、月明かりに照らされて・・・・・ 金色の髪がキラキラとその輝きを放つ。 白い羽がふわっと舞った。 俺は、言葉もなく立ち尽くした。 幻想的な天使の降誕・・・・・ まさか、こんなご時世に・・・・ そう思って、飲み過ぎたのかと、もう一度、目を凝らして見つめる。 ・・・・・・・ただの人間だった。 羽だと思ったのは、そいつが着ていた白いオーバーシャツとそいつの掲げた腕・・・・ 誰もがコートの襟を立てるような寒さの中、ヒラヒラと薄い絹のシャツの裾が風に舞う。 ふと、瞳が合った。 スッと音もなくそいつが俺に近づく。 「・・・・・・忘れろ・・・。」 囁かれた言葉と共に、唇に温かな感触がした。 「オ、オイ!! なんなんだ、お前は!! オイってば!!」
そいつの肩を揺すり、声を掛けるが、そいつからの返答は無い。
駅からさほど遠くないビルの一角にある店内に、サンジの声がする。
「なにをぉ?! 俺達は、客だぞ?! ちぃとばっかし名の売れた店だからといってそ
真っ赤な鼻で酒臭い息を放って店の中にズカズカト入ってきた客に、サンジはもう一度同じ言
「ですから、お客様。 もう一度だけ申し上げます。 ここは、女性専用の店なのです。
先ほどと同じように、にこやかな表情を崩さず、サンジは、その男に言った。
「やい! じゃあ、あいつはなんなんだよ!! あいつだって、一人でカウンターで酒
その男は、合点がいかないとばかりに、カウンターに居るゾロを指差し、サンジに食って掛か
「あいつ・・・・ですか。 あいつは、この店のボディーガードです。 結構腕が立つん そんな男を目の前に、サンジは溜息混じりにそう言ってのけた。 「ぁあ?! なんか言ったか?」 サンジの従業員発言にムッとして、ゾロが不機嫌そうに振り向く。
「ヒッ! あ、ああ・・・・・そうですね・・・・そうなんですか・・・・はは・・・・失礼しま
サンジに対し睨みつけたゾロの視線を自分へと勘違いしたのか、その男は、それまでの横柄 「プッ!! ククク・・・・・・見事、極悪面・・・・・」 サンジがその様子に思わず吹き出して笑う。 「なんだと? うるせえな、お前が勝手に人の事従業員だとか抜かしやがるから・・・」
「当たり前だ。 ここは、レディ専用のバーなんだぜ? てめえも客だと言い張るなら、 「・・・・・クソッ!!」
ゾロは、サンジの言葉に忌々しげにもう一度睨みつけた。
雨の日の夜、エースはいきなり店にやってきて、俺の隣りで、カウンター越しにサンジにそう 「エース・・・・・・・」
ガシャンとサンジの手からグラスが落ちる。 「ゾロ・・・・・・・・悪い。 今日は先に帰っててくんねえか。」 そう言って俺を見た表情はいつものサンジに戻っていた。 「なんで?」 「良いから・・・・・・・頼むよ。」
不機嫌丸出しの俺に、サンジは柔らかな微笑を浮かべて、そう言う。 「・・・・・・・わかった。 先に帰る。」 俺は、そう言って席を立つ。 「先に寝てて良いからな・・・・」 そう言ったサンジの言葉に返事を返す事も無く、俺は、店を出て行った。
明かりのついてないマンションの部屋。 「サンジは・・・・・・・・あいつのとこに戻ったと言うのか・・・?」
自分でも驚くほど冷静にそう声が出た。
どれ位時間が過ぎたのだろう。 「・・・・・・なんだ、仕事に行ってたんじゃねえのか・・・・」
サンジはそう言うと、俺の顔を見ようともせず、バスルームに向かった。 「なんだ? クク・・・・・淋しかったのか? ガキじゃあるまいし・・・」
サンジは俺の方を振り向いて、いつものようにおどけて笑う。 「ぅあっ!! あっ・・・・あっ・・・ぅあ・・・・」
俺から必死で逃げようと身を捩り、苦痛に喘いで呻くサンジ。 「うっ・・・あっ・・・・クソッ・・・・なんだって・・・こんな・・・・」 苦痛に顔を歪ませて、息も絶え絶えにサンジが俺を睨みつける。 「お前は、俺のだ。 あいつのとこなんか行かせない・・・・」 真っ直ぐにその瞳を受け止めて、そう言い返す。 「クッ・・・ハァ・・・・ば・・かやろ・・・・なに・・・・一人で・・・・・ああっ・・・んぁっ・・!!」 喋ろうとするサンジの腰を抱え上げ、尚一層深く突き上げた。 「ぁあっ・・・・んっ・・・・も・・・・ぅう・・・・クッ・・・」
苦痛に喘いでいた筈のサンジの表情が恍惚に変わっていく。 「ッ・・・・言えよ・・・・俺の名を・・・・・呼べよ・・・・・サンジ・・・・・呼べ・・・・」 反り返ったサンジの白い喉元に噛み付くように口付ける。 「ぅぁあっ・・・・・ぁ・・・・ぅあっ・・・ふ・・・ん・・・・ヤッ・・・・クッ・・・」
俺の動きにあわせ腰を揺らしながらも、サンジは俺の名を頑として呼ばない。 「ぁぅ・・・・・ぅあ・・・・・・・ゾロ・・・・?」 怪訝そうなサンジの顔。
「・・・・・・・悪かったな。 もう良いよ。 良いよ・・・・・・・何処へでも好きなとこへ行っ
近くにあったタオルで自分の汚れを拭い、そのタオルをサンジに投げつけて、俺は外へ飛び 「てめえは、堕天使か・・・・」
そう声が聞こえた。 「・・・・・・天使が空に還るのかと思っちまった。」 ふわっと首にマフラーを巻かれた。
「大好きだぜ、ゾロ。 俺は、てめえの言うとおり、好きなとこに来てる。 俺の好きなと そう言って、背中を押された。 「サンジ!!」 思わず振り返って、ギュッとその痩躯を抱き締める。
「・・・・・・エースに逢って・・・・わかっちまった。 なんで、てめえのとこにずっといるの ぽつりぽつりとサンジが俺に言葉を紡ぐ。
「あの時・・・・・・・俺、いろんな事情でエースと別れさせられて・・・・・死のうかと思っ 「・・・・・そうか。」
「ん・・・・・てめえは、そんな俺に理由も聞く事無く、黙ってあのマンションに置いてくれ そう話す語尾が震えてた。
「もう良い。 わかったから・・・・・もう良い。 俺は、サンジが居てくれるだけで良いか 「ゾロ・・・・・」
そっと、サンジの唇に触れる。 「早く部屋に戻ろうぜ? 続き・・・・・・・・してえな。」 そう言ってサンジがニヤッと笑う。 「ああ、お前が俺の名を呼んで、せがんだらな。」 「!!・・・///////言うか!! ばかやろーっ!!」 俺の言葉に、サンジは真っ赤になってそう叫んだ。 「じゃあ、やんねえ。」 「ぅあ・・・・き、汚え・・・・・・」 「なら、呼べよ?」 ニッと口角を上げて、サンジの顔を覗き見る。 「ぅ・・・・ぁ・・・・ぁぅ・・・・・呼んだら・・・・・イッちまうだろ・・・」 ふいっと顔を背けて、ぼそりとサンジが呟いた。 「あ?」 「なんでもねえよ!! ホレ、行くぞ!!」 ドンと俺の背中を蹴り上げ、サンジが俺の前を駆け抜ける。 「痛ぇ! こら、この・・・・待ちやがれ!!」
俺もまた、サンジを追いかけ・・・・・・・・二人で部屋に戻った。 |
<コメント> こちらは、彦乃様のリクエストで、 『バーテン・サンジ←常連客ゾロv(ゾロ視点)』 雰囲気の良いBAR、美味しいお酒、美味しいおつまみ、 カウンター内にたたずむ美味しい・サンジィ!!!(鼻血) ゾロじゃなくても惚れるっっちゅうねん!!!(壊れ) 切な→ハッピー希望v(転げまわって喜びます) ………というものに……二人のガラじゃないカモ… 以上、彦乃様の肉声。(笑) ゾロ視点の切ない話となると、どうしてもうちのサンジの 男っぷりがあがります。(ハイ?・笑) あやうく、サンゾロになり掛けるとこでした。 彦乃さん、萌えなリク本当にありがとう♪ 常連客じゃないんですけど・・・(汗) こんなんで、よろしゅうございましゅか?(滝汗) 脱兎!! <kiririku−top> |