Eyes



 




・・・クソッ、またあの視線。

・・・一体、どういうつもりなんだ・・・あのクソ剣士!!




気が付けばいつも、俺は、あいつの視線を感じてる。

キッチンで仕込みをしてるときや、甲板で紫煙を揺らしてるとき、気が付けばあいつは、俺を見

てて・・・




獲物を狩るような視線・・・

全てを見透かすような視線・・・

真剣で真っ直ぐ曇りのない・・・・・・・・・視線。


・・・・・・・・・・まただ。




俺は、居たたまれなくなってあいつに怒鳴る。

「んな瞳で俺を見るんじゃねえ!!」

「・・・見てねえ。」

「ふざけんな! てめえの不躾な視線感じねえほど、俺は、鈍くねえんだよ。 一体どうつもり

だ。 今度そんな瞳で俺を見ていたら、オロすからな。 良く覚えとけ・・・」

俺はキッとあいつを睨みつけ、そう言って紫煙を揺らす。

「て、敵襲!!」

見張り台からウソップの声。

「チッ。今から仕込みだというのに・・クソ雑魚が・・・!!」

俺は、そう言って敵船を睨み付けた。

見たことのない海賊旗を掲げたガレオン船。

「うっしゃー! やるぞ、ゾロ!サンジ!!」

ルフィが、ブンブンと肩を廻す。

「ああ、ちゃっちゃと片付けて、夕飯の用意しねえとな。」

近づくタイミングを見計らって飛び移ろうとしていた俺は、急にあいつに腕を捕られた。

「・・・賭をしねえか。 敵船の船長を先に潰した方が勝ちだ。 負けた方が、勝った方の言うこ

とを聞く。 俺が勝ったら、てめえを抱かせろ。」

あいつは、またあの視線で俺にそう言う。

「なんで俺が、てめえに抱かれなきゃなんねえんだ。 阿呆か、てめえ・・・」

「負けるのが、怖いのか? まあ、無理にとは言わねえ。」

「ざけんなよ! 俺が、てめえに劣るとでも言いてえのか。 その賭、乗った! てめえが負け

たら、一生奴隷としてこき使ってやるからな。 ・・・・・・覚悟しとけ!」

俺はあいつの手を思い切り振りほどいて、敵船に向かう。

「・・・・・・・・賭は、成立だな。」

あいつはそう言うと頭にバンダナを巻き、敵を斬り開きながら敵船に向かった。

何を考えてこんな事を言い出したのか、俺には、とんと理解出来ない。




あいつのあの視線がそういう意味を含んでいるとしたら・・・・・・

・・・・・・・なんて茶番だ。




有り得ない事に苦笑しながら、向かってくる敵を床に伸す。

ふと、あいつが瞳の端に映った。

あいつの剣が滑らかな曲線を描き、血飛沫が彩りを添える。




・・・・・・・・・・・・・・瞳が自然に追ってしまう。




獲物を捕らえた獣のような狡猾な表情に、ゾクッと全身が総毛立つ。

「負けてられねえ・・・。」

俺はあいつとの賭けを思いだし、慌てて敵を一掃しに掛かる。

相当な数はいたが、所詮、俺達の敵ではない。

暫くして、ガレオン船は無人と化した。

「ゾロ、サンジ。 俺、先に戻ってるぞぉ〜。」

久しぶりの戦闘で、いい暇潰しになったのか、ルフィはそう言って先に船に戻っていく。

「賭は、俺の勝ちだな。」

刀の血をバンダナで拭いながら、あいつは俺にそう告げた。

「チッ。 ・・・・・・・・どうとでもしろよ!」

俺は、敵の屍の上で紫煙を揺らして、吐き捨てるようにそう言った。

ゆっくりとあいつが俺に近づいてくる。

返り血のついたその手で、俺の頬に触れる。

汗と血に塗れた雄の匂い。

あいつは俺の口から煙草を取り上げると、獰猛な瞳のままに俺に口付ける。

ガチッと歯が音を立てた。

グッと身体を引き寄せられる。

屍の散乱する異様な状況での・・・・・・・・・抱擁。

次に殺られるのは、自分だとそう錯覚さえ覚えるほどに。

噛みつくような激しい性急な口付けに息ができず、口を開けば、熱く湿った舌を差し込まれ

る。

次々と送り込ませる感覚に意識が遠のいていくのがわかった。

「・・・・・・サンジ・・・。」

その熱い吐息と切羽詰まった掠れた声に、俺は射抜かれる。

いや、気付かされてしまった。

最初から、あの視線に捕らわれていたことに。

「約束・・・・・忘れるな。」

あいつは、そう言って船に戻っていく。




あいつは、単なる性欲処理なんだろうな・・・。




「なんてこった。 ・・・・・気付かなきゃ、良かった。 ・・・・・・・・・馬鹿野郎・・・・・・気付かせる

なよ。」

俺は聞こえないようにそう呟いて、その場を後にした。















++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




・・・・・・・・・・まただ。

なんだって、あいつは・・・あんな・・・

・・・・・・・癖なのか? 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あいつの。




・・・見たくねえのに・・・瞳があいつの姿を捕らえて・・・・・・離せない。




自分で気が付いてねえのか?




無防備な横顔。

銜えられた・・・指。

最近、気が付いた、あいつの・・・・・癖。

何かを考えてるときのあいつは、指を銜える。

ガラス玉のようなその蒼い瞳は、宙を泳ぎ、何も映してはいない。

わずかに開かれたあいつの唇の間から赤い舌がチロチロと覗く。

その度に・・・・・・

俺は、釘付けになる。

あいつのその姿態から・・・・

・・・・・・・・・・・・・瞳が離せない。

ゾクリと背中を走る感覚。

・・・・・湧き上がる欲望。

強い敵と闘うときと同じ。

・・・・・・言いしれぬ高揚感。




・・・・・・・・・・・・欲しい。




真剣にそう思った。

何故かなんて考えなかった。

ただ・・・・・欲しい。

・・・・・・・それだけだった。

笑われるの覚悟で、賭けを口にした。

あいつの勘に障るような言葉を選び、あいつを煽って、無理やり同意させた。




この渇きが一瞬でも満たされるのなら・・・・

誰に蔑まれようが構わない。




戦闘の後、欲望のままにあいつに口付ける。

想った以上にあいつの唇は柔らかくて・・・

瞳が眩んだ。

そして・・・・伝わってくるあいつの震えに・・・我に返った。




・・・もう後戻りはできねえ。

あいつに蔑まれようが、罵られようが・・・

ほんの一時でも、あいつが俺のもんになるのなら・・・・

どんな罰が下ろうと、後悔はしねえ。

あいつに捕らわれたときから・・・・

その覚悟は・・・・・とうに出来ている。












+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




「・・・・・・・・片付けはもう済んだのか・・・?」

不意に後ろから発せられた声に、サンジはギョッとした。




こいつ・・・・・いつの間に?




「ああ、見りゃわかるだろ。 もうちょいだ。」

振り向くのもだるいと言わんばかりに、サンジがゾロにそう返事した。

ゾロはそれを聞くと近くの酒棚から一本取り出し、テーブルに着く。

シンと静まり返ったキッチンには、サンジが拭いた皿の重なる音だけ。

気付かされた感情は、サンジの意思とは無関係に、背後にいるゾロの息遣いさえも敏感に感

じ取ってしまう。




不毛だな・・・・これは・・・・・。




「・・・・・・待たせたな・・? じゃ、行くか・・・。」

暫くして、サンジがゾロにそう声を掛け、キッチンのドアへ歩き出した。

「・・・・・・何処へ?」

「・・・・・・ここじゃ、犯れねえだろ。 誰かが不意に入って来ねえとも限らねえ。 それともなに

か? てめえはホモの上にそういう趣味まで持っているのかよ? 俺はごめんだね。 てめえ

相手にするのもゾッとするのに、そこまで付き合う気はねえよ。」

そう悪言を吐き、サンジはキッとゾロを睨みつける。

そう・・・・・・これはあくまでも、賭けに負けたからだと・・・。

自分にも、さらさらそんな気は無いと・・・思い知らせる為に・・・。

自分と・・・・・・・そして決して相容れぬ筈の剣士に向かって。

「ざけんなよ! 誰がホモだと言った?!」

ガッとサンジの胸倉を掴み、ゾロはそう言ってサンジの瞳を真っ向から見返した。




・・・・・・・まただ。

その瞳を・・・・・・・・・・・止めろ。




ゾロのその瞳を見ていると、いたたまれなくなる・・・・・・・・・・思い知らされる。

自分の馬鹿げた想いを・・・・・・・




まだ・・・・・・・・・間に合うだろうか?




「てめえ、言ってることが矛盾してるだろうが! ホモじゃねえなら、なんで俺を抱こうとす

る?! 俺はれっきとした男だ!! ホモじゃねえと言うなら、あの賭け自体を撤回しやが

れ!」

シャツを掴んだゾロの手を払いのけ、サンジはスッとゾロから距離を取った。

あの視線をこれ以上見てられなかった。

気付かされた自分の心が、今にも溢れそうになる。




・・・・・・伝えてなんになる。

それこそ・・・・・・・・・・・・・とんだ茶番だろ。




「今なら、冗談にしてやる。」

そう言って、再度、ゾロを睨みつける。

「撤回は・・・しねえ!!」

ゾロはそう言うなり、ガッとサンジの腕を取り、強引に口付けた。

「てめえ!! この・・!!」

抗議の為に開かれた唇に、ゾロは強引に舌をねじ込む。

喋る事も、噛み切るとこも出来ないように縮こまっていたサンジの舌を吸い上げ離さない。

息をするのも忘れる程、ゾロはただただその行為に没頭した。

ガクッとサンジの膝が崩れる。

ゾロはその体勢を利用して、そのまま床にサンジを組み敷いた。

「ッ・・・・・クソッ・・・」

サンジの口からそう声が漏れる。

「てめえが嫌がろうが、罵ろうが・・・・俺はもう、止めねえ。 俺は、決めたんだ。 例えこの一

瞬だけでも・・・・・・・・・俺はてめえを手に入れる。」

ゾロはそう言い切ると、荒々しくサンジの衣服を剥いだ。




一瞬でもって・・・・・それは・・・?

ただの興味半分の性欲処理じゃねえのかよ・・・?




ぐるぐると、サンジの頭の中でゾロの言葉が反芻される。




・・・・・・・・だとしたら・・・・?

ちゃんと聞いてみてえ・・・・・・てめえの心・・・・。




「・・・・・・・手に入れて・・・・・どうすんだ?」

そう静かな声でサンジが呟く。

ぴたりとゾロの手が止まった。

「手に入れて・・・・・・・どうすんだと聞いてんだ。 答えろよ・・・?」

ガッとサンジがゾロの髪の毛を掴む。

「・・・・・・・わからねえ。」

ゾロから発せられた言葉はそれだけだった。




こいつ・・・・・・本気でそう言ってやがるのか・・・?

まっ、こいつにとって、そんなもんなんだろうってことか・・・。




「ハッ。 わからねえってか・・・。 そんな奴に俺、抱かれんだ。 ハハ・・・・いいよ、抱けよ。

賭けは俺の負けだったしな。 けど、これだけは覚えておけ。 ・・・・・・・・・・・・・・これきりだ。

何もかも・・・・・。」

サンジはゾロにそう言って自嘲気味に笑い、全身の力を抜いた。













ゾロは動けなかった。

サンジの言葉が耳から離れない。

「・・・・・・・それは、どういう意味だ・・・?」

それだけ言葉に出来た。

「・・・・・・・良いから、早く済ませろよ。 なんなら俺が乗っってやろうか?」

サンジはグイッとゾロの首を引き寄せ、耳元でそう囁き耳朶を噛んだ。

「ッ・・・。」

ゾロはその仕草に煽られたかのように、また動きを再開させる。

無駄の無いしなやかな肢体に手を這わせ、サンジを性急に追い上げた。

「クッ・・・ハッ・・・あ・・・ッ・・・」

くぐもった熱い吐息がサンジの口から漏れ聞こえ、ゾロはますます己の昂ぶりを抑えきれなく

なる。

サンジの雄に手を添え、軽く上下に扱く。

ツボを心得た愛撫にサンジの先端からはぬるっとした透明な液体が流れ、添えられたゾロの

手を濡らし始めた。

グチュグチュと液に塗れた淫猥な音がキッチンに響く。

サンジの雄の先端に、その液を塗りこめるように指で掻き回す。

「ッ・・・クゥ・・・ッ・・・・あ・・・・ハァ・・ッ・・・」

ビクビクとゾロの手の中で、サンジの雄が誇張し、脈動した。

目尻に涙を湛え、ギュッと何かを堪える表情のサンジに、ゾロは言い知れない想いを抱く。

それは、征服欲でも、嗜虐心でもなく・・・・・・

もっと奥底にあったなにか・・・・。

それが、今、おぼろげにわかりそうな気がしてくる。

不意にギュッとサンジが、ゾロの首を引き寄せた。

「はぁっ・・・・・ゾ・・・・ロッ・・・!!」

甘い吐息の中で、自分の名を呼ぶサンジに、それが何なのかが、はっきりとわかった。




欲しているのは、身体ではない。

魂の・・・・・・・その内側から・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・この男を欲していると。




「・・・・・・・好きだ。」

そう振り絞るようにサンジに告げる。

馬鹿げた告白だと、今更ながらにそう思う。

賭けの代償として、屈辱的なことをサンジに強いているこの情況で、一体どの面下げてこんな

馬鹿な事を口にしているのだろう。

それでも、口に出さずにいれなかった。




なんて、無様なんだ、俺は・・・・・・。




「・・・・・・悪い。」

そう言って、スッとサンジの上から、身体を退ける。

「・・・・・待てよ。」

そう言ってサンジが、ゾロの腕を掴んだ。

「何故、止める?」

「・・・・・・・わかったからだ。」

サンジの言葉に、ゾロはそう答える。

「・・・・・・何が、だ・・・?」

「こんな事をしても・・・・・・・俺の渇きは止まらねえ。 いや・・・・・・たぶん、もっと酷くなるだろ

う。 俺の・・・・・・・欲してるものが、違うから。」

「・・・・・・・・・・・・何を欲する・・・?」

去ろうとするゾロに、サンジは尚も食い下がった。

「・・・・・・・・てめえだ。」

ゾロはそう言って、サンジの蒼い瞳を見返す。

微かにサンジの口角が上がったような気がした。

「その言葉に、嘘はねえか・・・?」

サンジの薄い唇が、そう動く。

「ああ。 嘘じゃね・・・ッ・・・」

そう言い掛けた唇をサンジが塞いだ。

「先に言いやがれ、この激ニブ野郎・・・!!」

急に体重を掛けられたので、そのまま床に二人して倒れこむ。

「な、なんだ・・・?」

いきなりな事に、ゾロは情況が呑み込めない。

「・・・・・俺ばっかが、てめえに振り回されるのは、フェアじゃねえよな・・・?」

ニッと口角を上げて、サンジがゾロにそう告げた。

「ちょ、ちょっと、待て! よくわかんねえんだが・・・?」

シャツの裾から這い回るサンジの手の動きに、慌ててゾロがサンジを制する。

「んぁ? ああ、悪い、悪い・・・。 ちょっと嬉しくてよ・・・。」

そう言って笑うサンジの顔は本当に嬉しそうで、ゾロはつい自分の於かれてる状況を忘れそう

になる。

それでも、一人ゴチて、にやついているサンジにいささかムッとした。

「なに笑ってんだよ。 人が真剣に言ってるのに・・・。」

「ククク・・・・悪いって言ってるだろ? 言ってやるよ。 俺も・・・・・・・・同じだ。」

耳元で囁かれたサンジの声に、血が逆流しそうになる。




嘘だろ・・・・?

本当なのか・・・・?

こいつも、俺のことを・・・?




嬉しさを通り越して、ゾロの頭の中がスパークする。

「それは・・・・・・・・俺と同じと言う事か・・・?」

身体を起こし、敢えて冷静な素振りで、サンジに確認を取った。

「ああ、何度も言わせるな。 滑稽だろうが!」

そう言ってサンジがゾロに噛み付くように口付ける。

これが現実なのだと・・・・。

差し出されたサンジの舌をゾロは余すとこなく吸い上げる。

「んっ・・・ん・・・・」

ピチャピチャと互いの唾液が絡まる音がする。

どちらからとも無く、互いの肌に触れ合い、抱き締める。

「・・・・・・なんでてめえなんだろうな・・・? こんなゴツい身体、本当に俺の趣味じゃねえの

に・・・。」

「・・・・・・お互い様だ。」

相変わらず口の減らないサンジにそう言って、ゾロは胸の先端を口に含んだ。

「クッ・・・ハッ・・・ッ・・・」

声を漏らさないように、サンジがグッと指を噛む。

その仕草が、殊更、ゾロを追い立てているのをサンジは知らない。

ゾロは、先程と同じように、ゆるゆるとサンジの雄を上下に扱いた。

サンジの雄はすぐに息づいて、ビクビクと脈動を繰り返す。

「ッ・・・・クソッ。 俺ばっか・・・・・てめえも、出しやがれ・・・。」

サンジは、そう言いながら、ゾロの下半身に手を伸ばした。

サンジの細い指がゾロの雄に絡みつく。

途端に、ゾロの雄がその質量を増した。

「ヘヘヘ・・・・てめえも準備万端かよ。 なら、とりあえず、一緒に抜かねえ・・?」

「・・・・・・・だな。」

互いに舌を絡ませて、双方の雄を擦り合わせる。

グチュグチュと隠微な音と切羽詰った互いの表情が、ますます感情を昂ぶらせた。

「ああっ・・・・ッ・・・・ゾロ・・・・クッ・・・あっ・・・」

「ッ・・・クッ・・・サ・・ンジ・・・」

互いの名を呼び、昂ぶった熱の開放を促すように、その行為を早める。

「ッ・・・クッ・・・ハァッ・・・!!」

「ッ・・・・クッ・・・!!」

ビクッとほぼ同時に、互いの間に、白濁の精を吐き出した。

トロトロと先端から流れる残滓が互いの手を伝い、幹を濡らす。

「ハァハァ・・・早かったじゃねえか・・・。」

「ッ・・ハァ・・・てめえも同じだろ。」

どちらからともなく、微笑みあった。

「さてと・・・・・」

呟くようにそう言って、サッとゾロがサンジをうつ伏せにしてその腰を抱え込む。

「うわっ! えっ?! ちょ、ちょっと待てよ!! まさか、てめえ・・・・・・アッ!!」

急に体勢を入れ替えられ、後口にぬるりとした感触を察し、サンジがそう声を上げた。

「・・・・当然の結果だろ。」

ゾロは、したり顔でそう言うと、濡れた指をサンジの後口に滑り込ませる。

「ふぁっ・・!! クソッ・・・・・て・・めえ・・・・後で・・・・覚え・・・とけ・・よ・・・んっ・・・!!」

液に塗れたゾロの指が、サンジの内襞を擦りながら蠢いた。

「ックッ・・・あっ・・・・アアッ・・・てめえ・・・そこ・・・・・触・・・んな・・・・あっ・・」

ビクッとサンジの身体が弓なりに撓り、熱を放出したばかりの雄がまた頭を擡げ始める。

「ッ・・・・悪いが、俺も余裕ねえ・・・。」

サンジの艶を帯びた肢体に煽られるように、ゾロは指を引き抜くと自分の雄を一気に埋め込ん

だ。

「ああっ・・!! ッ・・・馬鹿やろ・・・う・・・・・・加減しろよな・・・・クッ・・・はぁ・・・ッ・・・」

身体の内部から襲われる引きちぎられそうな痛みに、サンジは必死で息を整えようとする。

「ッ・・・・悪い・・・。」

ゾロも少しでも痛みを和らげようと、サンジの雄に手を添え、ゆっくりと快感を送り込んだ。

そのうちに、サンジの息も整いだして、雄も脈打ち始める。

「・・・・・動いて良いか?」

労わる様な声色で、ゾロがサンジにそう告げた。

「ッ・・・・レディじゃねえんだ、俺は・・・。 いいから、さっさと動きやがれ。」

そのサンジの言葉を合図に、ゾロが腰を打ち付ける。

「ック・・・ハッ・・・・あ・・・・ん・・・」

腰を深く進めるたびに、サンジの口からも甘い吐息が漏れ始め、肌を擦れあう音が、キッチン

に響いた。

ゾロは、先程、指で擦った箇所を何度も執拗に突き上げる。

「ヒャッ・・・あっ・・・・そこは・・・・・・止・・せと・・・・言って・・・クッ・・・あっ・・・」

「ッ・・・・・・てめえの身体は、口ほど嫌がっちゃいねえようだが・・・?」

ゾロは、サンジの言葉にそう反論すると、より一層深くサンジの中に突き入れた。

「ッ・・・あっ・・・・クソッ・・・・」

抗議の意を示し、サンジが顔だけ振り向いて、ゾロを睨みつける。

・・・・と、途端に、サンジの瞳に映る獰猛な獣の視線。

初めの口付けを交わした、あの・・・・・・・身を食われるような獰猛な獣の視線。

ゾクリと、サンジの背中に甘い痺れが走った。

「ッ・・・・クッ・・・・ダメだ・・・・・ゾ・・・ロッ・・・!!」

ビクンと身体を大きく剃らして、サンジがゾロの動きにあわせて腰を揺する。

「ッ・・・・・ヤベ・・・・サンジ・・・!!」

腰の動きにあわせて収縮を繰り返すサンジの内襞の動きに翻弄され、ゾロは堪らず腰を引い

た。

「ッ・・・・・クッ・・・!!」

「ッ・・・あっ・・・ああっ・・・!!」

同時に、床に二人の白濁の精が迸る。

「・・・・・大丈夫か?」

床にガックリとうつ伏せているサンジに、ゾロはそう言って手を差し伸べた。

「大丈夫なわけあるか! いきなり、心の準備もさせねえで突っ走りやがって・・・・・まっ、これ

で、賭けはチャラだからな。 っ痛て・・!!」

サンジはゾロの手を取り、そう言って立ち上がろうとして、腰を押さえる。

「あーぁ・・・。 神聖なるキッチンで、とうとう俺は・・・・。 それもこれも、全部てめえのせいな

んだからな! わかってんのかよ!」

そう文句を言いながら、ゾロの頬をギュッと左右に引っ張るサンジ。

「痛っ!! 半分はてめえのせいだろ! エロい面しやがって・・・。」

ゾロは、サンジの手を振り払うとそう言ってサンジの腰を引き寄せた。

「てめえだって、充分エロい面だったじゃねえかよ! 次は、てめえが啼きやがれ! あー、

ベトベトで気持ち悪い。 風呂行くぞ、風呂。」

サッと、テーブルクロスを食卓から引き抜いて、サンジは裸の自分とゾロに巻きつける。

「さて・・・・・楽しみだな・・・?」

ニヤニヤとしてゾロを見ながら、サンジはゾロとキッチンを出た。

「・・・・・言ってろ、返り討ちだ。」

そう言って笑うゾロの顔に、サンジは一人ほくそ笑む。




まっ・・・・・・・悪くねえな。

てめえの瞳に完敗だ。







<END>


 

 


<コメント>

こちらは、LUV様のリクエストで、【魔獣ゾロとヤサグレサンちゃん】です。
とにかく漢前野郎な二人と言う事で、エロでハードで心理戦!
それぞれに葛藤があって感情MAXでエロに突入!!
と言われたのですが・・・・これって・・・?(;一_一)
ルナにそんな格好良い話が書けると思った?!
・・・・・・・無理です!(きっぱり)
ああ、ヘボい。 うちの二人、格好良くないのよぅ!(笑)
一応は、ちょっと書き方とかそれなりを目指したんだけどさ・・・
『文才無えーーーっ!!』に尽きました。(爆)
今は、サンゾロサイトで頑張っているLUVしゃんに、
こんなものを贈り付けるのは凄く恐縮なのですが、
どうぞ、その広いお心で首を縦に振ってvv
お・ね・が・いvv(蹴)
ああ、反応が怖い・・・(笑)

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