Secret of my heart



 




あーもう・・・・どうすりゃ良いんだよ。

何をどうしたらいいのか、さっぱりわかんねえ。

あいつが何を欲しいのかってさえ、わかんねえのに。

しかも、聞いたとしても・・・・・俺には、金がねえ。

あー・・・どうしよ。

ナミにでも聞いてみっか。

・・・・・・・・いや、あいつに聞くと借金が増えかねねえ。

つーと、やっぱ、ウソップか、チョッパー?

・・・・・・・・いや、あいつらはニブ過ぎて、何で俺がそう言うことを聞きたがるのか逆に訊ねて

きそうだ。

それは、俺が返答に困る。

ルフィ・・・・・・いやいや、あいつに聞いても、【肉】としか答えは返ってこねえ。

と、なると・・・・・・・ロビンか、やっぱ。

俺、あんま苦手なんだよなぁ・・・・・理論的に喋る女って・・・・・

まっ、それはしゃーねーか。

サンジの為だもんな、うん。














3月1日。

いよいよ明日は、サンジの誕生日。

船は順調に航海中で、ナミの予定だと明日には島に着くらしい。

皆、心なしかウキウキしている。

そりゃな、久しぶりの陸だし、サンジの誕生日が明日って事もあって、そわそわしてんだ。

誰も彼も、サンジをお祝いしようと・・・・・気に入られるプレゼント贈ろうとしてんだな、たぶん。

俺だって、そうだしよ・・・・・

けどよ・・・・・




何を贈りゃ良いんだよ。




「ロビン、ちょっと良いか?」

俺は背に腹は代えられぬと、読書中のロビンにそう話を切り出す。

「あら? 珍しいわね、貴方から話し掛けるなんて・・・」

読んでいた本を膝の上に下ろし、ロビンはジッと俺を見た。

「別に? ちょっと話がある。」

「ここじゃ話せないの?」

チラッとロビンが隣で海図を描いているナミに視線を移す。

「ああ、ん・・・あたしなら丁度一息吐こうと思ってたから、キッチンに行くわ。 んじゃお邪魔様

〜v」

ナミは、その視線に気が付くとそう言ってキッチンに入っていった。

「・・・で、話ってなんなの? その様子からして余程困ってるようね?」

「ああ、てめえにちぃと聞きてえ事が・・・」

と、話を切り出そうとしたら、サンジの奴が猛ダッシュでキッチンから飛び出してきた。

「ロビンちゅわ〜んvv そんなクソマリモと一緒に居ると貴方の御身に穢れがvv オイ! マリ

モ! 早くどっかへ行きやがれ!」

クネクネとラブコック全開で愛想をロビンに向け、それとは打って変わって不機嫌そうに俺を見

下してそう言うサンジ。

俺はカチンときてすぐさま言い返した。

「なんだと?!このグルグル眉毛! 俺は、ロビンに用があるんだ!」

「何の用だよ?ァア?!」

「そ、それは・・・・・・」

「別に大した様じゃねえんだろうが!」

本当に何がどう不機嫌なんだか、サンジの剣幕は大変なもので・・・・

俺は、もうロビンに聞く気も失せてしまった。

「もういい!! 邪魔したな、ロビン・・・」

俺はそれだけ言って、船尾に戻る。




ったく、なんだってあいつは・・・・・・・

結局、聞きそびれちまったじゃねえかよ。

もう時間ねえのに・・・・・




そんなことを考えながら、俺はいつの間にか眠ってしまっていた。

どれくらい経ったのか、不意にゆさゆさと肩を揺すられる。

「ん・・・?」

瞳を開け、あたりを見渡すが誰もいない。

いつの間にか外は真っ暗になっていて、俺はゆっくりと立ち上がった。

ヒラヒラと何かが俺の腹巻から覗いている。

「・・・・・なんだ、こりゃ?」

そう呟いて引っ張ってみると、ただの布切れ・・・もとい、リボン。

その端が紙切れにテープで貼ってある。

「なんなんだ、この紙は・・・」

そう言いながら、がさごそと紙を見てみる。

『ゾロへ。

あんたの事だから、サンジ君へのプレゼント全然考えてないでしょ?

いーい?

あたしが言うとおりにするのよ?

「お前の欲しいものに付けろ。」って、そのリボンを渡して上げなさい。

それだけで、サンジ君喜ぶから。

あ、このリボン代はあたしの手間賃と含めて、出世払いにしとくわv

P.S. ふふ・・・・サンジ君、ロビンとあんたがいいムードで話してるって言ったら、すっ飛んで行

ったわよv 昼間vv

じゃあ、ねv』

「これをやれば、良いのか?」

それよりも、昼間、あんなにサンジが不機嫌だった理由の方が俺には重要且つ、嬉しい事

で、俺は、よく理解しないままに腹巻の中にそのリボンを入れると、キッチンに急いだ。

勢いよく、キッチンのドアを開けると仕込みをしていたサンジの背中を抱きしめる。

「うわっ! な、なんだよ、いきなり・・・」

上ずった声で、慌てて俺を引き剥がすサンジ。

俺も負けじと抱きしめている腕に力を込めた。

「クク・・・・てめえ、ロビンにやきもち妬いたのか?」

「なっ、ばっ、ばっかじゃねえの!! なんで俺が・・・」

抱きしめたまま肩越しに囁く俺に、サンジは耳まで真っ赤になってそう答え、顔を背ける。




本当に、素直じゃねえな・・・




強引に自分の方に振り向かせて、その唇を塞ぐ。

「んっ・・・・んんっ・・・」

ぐいぐいと俺のシャツを引っ張って、きつい瞳で俺を睨みつけるサンジ。




んな睨みつけてても、全然怖くねえし・・・・ってか、余計・・・・




俺はサンジの鼻から抜けるくぐもった甘い吐息に煽られるように歯列に舌を滑らせ、その隙間

から舌を挿し入れた。

「ハァ・・・んっ・・・・クソッ・・・・」

ギシギシと揺れるソファー・・・・

俺の下で余裕無さ気に喘ぐサンジ・・・・

自分の指を噛んで必死に声を抑えているその姿態にますます煽られる。

「声・・・・聞かせろよ・・・・誰も聞いちゃいねえよ。 俺以外にな・・・・」

そう耳元で囁いて、その唇から指を外しソファーに手を縫いつけた。

それから腰を高く抱え上げ深く貫く。

「なっ・・ばっ・・・ああっ・・・ヤァーッ・・・・」

ビクンとサンジの身体が仰け反り、白い肌が紅潮してそのやらしさを増す。

与えられる快感から逃れるように金色の髪を振り乱し身を捩るサンジ。

その姿態が俺をどんなに欲情させるのか、こいつは全然わかってねえ。

逃げる痩躯をしっかりと抱かかえ、俺は駆られるままにサンジの中に欲情を叩きつけた。

「ぅあ・・・・あっ・・・ゾロッ・・・・・ぁ・・・ゃあ・・・・ック・・・ああっ・・!!」

ギュッと俺の手を握り返し、サンジが先に果てる。

急激に収縮を繰り返す内部に俺も堪らず、己の雄を引き抜くと腹の上に熱を吐き出した。

チラッと壁に掛かっている時計に瞳を移す。

時計の針は0時を回っていた。

「ああ、クソッ・・・・・まだ仕込み終わってねえのに・・・・」

そうぶつぶつと文句を言いながら、サンジが身支度を整え始める。

俺は、脱ぎ散らかされた衣服の中から、あのリボンを取り出し、サンジの瞳の前につきつけ

た。

「・・・・・・・やる。」

「ほへ?」

キョトンとして、サンジの動きが止まる。

「ん・・・・」

俺は黙ったまま、もう一度リボンを差し出した。

「あの・・・・もしもし? これってどういう意味ですか? クソマリモ?」

思いっきり訳わかんねえって面してそういうサンジ。

「・・・・・今日、てめえの誕生日だろ・・・・・だから・・・・・・欲しいもんに付けろよ・・・」

そこまで言って、妙に気恥ずかしくなった。




だってよ・・・・・マジマジとあいつが俺を見てるから・・・・

大体、んなリボンなんて貰って嬉しい奴が居る訳ねえし。




「あ、や・・・・良い。 忘れろ・・・・」

慌ててリボンを掌でぐしゃぐしゃと丸める。

「オイ、待てよ。 それが、俺へのプレゼントなんだろ?」

丸めていた手をガッと開いて、サンジが俺の掌からリボンを取り上げた。

「ふふーん・・・・てめえにしちゃ、気の利いた事しやがるじゃねえか。 大方、ナミさんに言わ

れてだろうけど・・・・・・まっ、ノッてやるぜ・・・・・」

サンジはそう言うと、俺の頭にリボンを巻きつける。




・・・・・・・嫌がらせか?




少々頭が疼いたが、ここは黙ってされるままにしておいた。

「うっし!出来た! プレゼント・・・・確かに貰ったぜ? 巨大マリモ付き、な?」

そう言ってにっこりと微笑まれた。

「あ?」

「・・・・・・一生なんて言わねえよ・・・・・・・けど、今日ぐらい俺の傍に居やがれ、この激ニブマ

リモ・・・・・」

そっと背中に腕を回される。

サンジの鼓動が俺のにリンクする。




セックスよか、こっちが恥ずかしい気がするのは気のせいか・・・?




俺はボリボリと頭を掻き、サンジをギュッと自分の胸に押し付けた。

「ホレ・・・・言うべき言葉があんだろ?ん?」

至近距離からジィッと蒼い瞳に見つめられる。

「あ?ああ・・・・・・・・・誕生日、おめでとう・・・・・・・」

思わず視線を逸らせて、そうボソッと呟くように言った。

「ククク・・・・・なに照れてんだよ・・・・・らしくねー!!」

クスクスとサンジが俺の腕の中で笑う。

「うるせー! 黙れ!!」

「ぅわっ!!」

俺は、誤魔化すようにサンジの身体をソファーに押し倒した。

「うわっ! 止めっ! こんな我儘マリモは、やっぱ要らねー!! 返品!!」

「却下!」

じたばたともがき、悪態を吐くサンジの唇を塞ぐ。

「誕生日・・・・・おめでとう、サンジ・・・」

今度は視線を逸らさず、真顔でそう言ってやった。

「ぅ・・・・・てめえ、んな時に、名前・・・・・・・この卑怯者・・・・」

やっとサンジは大人しくなった。














「・・・・・・・本当に、あの二人って・・・・・馬鹿ップルよね?」

「ふふ・・・・・まぁ、年に一度の誕生日だし・・・良いんじゃなくて?」

「ったく・・・・あたし達の安眠妨害分の迷惑賃も上乗せしとかなきゃ・・・・」

ミシミシと音を立てる天井を見上げながら話をするナミとロビン。

翌日、ゾロにつきだされた請求書の桁が一桁上乗せされてたのは、言うまでも無かった。








<END>


 

 


<コメント>

サン誕第二作は、パブちゃんのリクエストvv
パブロ様のサイト【Sweet Home】の10000打オーバーに
捧げさせて頂きますです、ハイ。(汗)
頂いたリクエストは、【サンジの誕生日を照れながら祝うゾロ】
だったのですが・・・・玉砕?(笑)
ご、ごめんなさい・・・長らくお待たせして、こんなもんで・・・
しかも、サン誕扱いだし・・・(滝汗)
ええ、返品可能です。(笑)
パブちゃんv10000打オーバーおめでとうvv
そして、それをこんな形でしかお祝いできなかったあたしを許して・・・(;O;)

閉じてお戻りください。