Sweet Darling |
俺の名前は、サンジ。 かつて、巷で騒がれた天才カリスマ料理人。 そりゃあ、芸能人並に騒がれたんだぜ。 女の子にはキャーキャー言われてさ・・・。 が、しかし、現在・・・ 普通の商社に勤めるサラリーマン、ロロノア・ゾロの最愛のワイフvv なんでこうなったのか、それはなぁ・・・ えへへ・・・ダメダメ、勿体無くて他人なんか話せるかよ。 ともかく、俺は、今、めっちゃくちゃにハッピーなのだ。 やっぱ、人間は、金や名誉や地位じゃねえよな。 愛だぜ、愛・・・。 朝は、真っ先に起きて、愛する旦那様、ゾロの寝顔をチェック! 30分ぐらいゴロゴロと爆睡中のゾロにじゃれ付いて、ゾロの大好きな食事の用意。 それから二人で、ラブラブな朝食vv そして、俺の見立てた服を着せて玄関まで一緒についていく。 「じゃあ、行って来る。」 「ゾォ〜ロvv 忘れ物v」 俺は、玄関先で、チューのスタンバイ。 「ば、馬鹿! なにしてんだよ! こんなとこでできるかよ。人が見てる・・・。」
・・・ったく、本当、照れ屋さんなんだから。 「あらあら、ご馳走様。いつみても仲良くていいわねv」 「本当、羨ましいわ。」 なんて隣りの奥さん達にいわれちゃってさ。 「いやぁ、これはお美しい奥さん方vv どうですか?うちで美味しいお茶でもvv」 なんていってコミュニケーション。 「あ、じゃあ後で伺うわねv サンジさんのお茶って、本当美味しいのよね〜。」
なんて、ご近所付きあいもバッチシだ。 「うっし、完璧だ。」 俺は、長年の料理人として培われた瞳を如何なく発揮して、食材を選別する。 「マスター、例の物、ちゃんと届いてる?!」
「オウ!サンジ。 ちゃんと届いてるぜ。 本当、苦労したんだからな、これ手に入れるの そう言って、店のマスターは店の奥から一升瓶を取り出した。
「へへへ・・・・わかってるって! 顔の広いマスターだから、分けてもらえたんだよな。 けど 「愛するダーリンの誕生日!だろ?」 俺の言葉を遮って、マスターがそう言ってにやりと笑う。 「へへ・・・バッチシ、だ!」 俺はグッと親指を立てて、マスターに笑ってそう言った。
「じゃあ、俺、早く帰って下ごしらえしねえと・・・。 ありがとな、マスター。 後でちゃんとお礼 「オウ、楽しみにしてるぞ。」 俺は金を払って、いそいそと家に帰る。
「よし、これで準備はバッチシだ。 後は、ゾロが帰ってきて・・・・二人で食事して・・・・・ゾロ
バシバシとソファに置いてあるラブクッションを叩きながら、俺は、ゾロが帰宅してからの事を 「さてっと・・・・そろそろぶりカマ焼いておこうかな・・?」 そう呟いて、シンクに立った俺。 「プレゼントはどうしたんだ!!俺ーーーッ!!!」 ガツンと後頭部を殴られたような衝撃を覚えた。 「・・・・・・・本日の営業は終了致しました。 またのご来店をお待ち致しております。」 無常に流れるさよならの音楽。 「ちょっと待って!! その閉店、ちょっと待った!!」
俺の叫びも虚しく、瞳の前でガラガラと音を立てて、デパートのシャッターが降りていく。 「ッ・・・・・・・・最悪。」 「オイ!サンジ? どうしたんだ?」 急に後ろから声を掛けられた。 俺は、慌てて袖口で涙を拭って、振り向く。 「・・・・・何があった? 何でも無い訳ないだろ? ん・・・?」 そう言って、そっと頭を引き寄せられた。 「ゾォロ〜・・・・・俺・・・・・俺・・・・・・」 ギュッとゾロにしがみついて泣いた。 「よしよし・・・・・・とりあえず、家に入ろう。 ここじゃあ・・・・なんだから・・・・」
一斉に周囲の視線が泣きじゃくっている俺に注がれたのを感じて、ゾロが俺を抱えるように 「・・・・・・で、どうした? 何があったんだ?」 玄関のドアに鍵を掛けて、ゾロが俺に再度聞く。 「あのな・・・・・俺・・・・・・今日・・・・プレゼント・・・・用意出来なかった。 ゾロの・・・・誕・・・」 「なんだ、そんなことか・・・。 俺はまた、なんか重要な事かと・・・・」 俺の言葉を最後まで聞かず、ゾロはそう言って苦笑した。
「そんなことじゃねえ!! ゾロの誕生日だぞ!! 一年に一度しかねえんだぞ!! それ そこまで言って、また自分に悔しくて涙が出てくる。
「クク・・・・ごめん、ごめん。 サンジが、そこまで俺の誕生日覚えてくれていたのは凄く嬉し
相変わらず優しい瞳で俺を覗き込んで、ゾロが俺にそう尋ねた。 何度も首を傾げる俺に、ゾロはそう言って溜息を吐く。 「・・・・・・・ごめん、ゾロ。 それって、てめえの誕生日より重要な事か?」
「ああ。 少なくても俺にとっちゃ、な・・・。 『普通は、結婚した日を記念日にするけど・・・・ そう言って、ゾロは俺の頭を優しく撫でた。 そう謝って、ギュッとゾロに抱きついた。
「本当、ごめん、だよなぁ。 せっかく俺、覚えてたのによ。 まっ、良いか。 俺も自分の誕生 ゾロはそう言って、ゴソゴソと内ポケットから何かを取り出す。 「親愛なる奥様に、俺からの感謝を・・・」 そう言って細長い箱を手のひらに乗せられた。 「ゾロ・・・・・これ・・・・」 「ん・・・・」
ゾロに促されて、その箱を開ける。 「ゾロ!! ゾロ!ゾロ!!」 俺は、ゾロの名前を連呼して力一杯しがみつく。
「オイオイ・・・・わかったから、そんなにしがみつくなよ。 それより、俺、腹減ってんだ。 「うん! すぐに用意する!! 今日はさ、ゾロの好きなものばかりだぞ。 待っててな。」 ゾロの言葉に俺は、そう返事していそいそとキッチンに向かう。 「ほぅ・・・・・本当、豪勢だな、今日は・・・。」 出来上がった料理に、ゾロはそう言って席に着いた。 「エヘへ・・・・・今日は、特別だから・・・・・。 けど、ごめん、俺・・・・・」 そう言って謝ろうとする俺の唇に、ゾロがスッと指を置く。
「こうやって、俺を一番に考えてくれるサンジが、傍に居てくれる。 それが一番のプレゼント そう耳元で、囁かれた。 今日も、ゾロにチューをして笑顔で会社に送り出す。 「クスクス・・・今日もご馳走様v 本当、素敵な旦那様よね〜。」 「エヘへ・・・・・でしょ?! 最高なんですよvv俺のダーリンvv」
隣りの奥さんにそう話をして、俺は、そっと胸に光るペンダントに触れる。 |
<コメント> サンジ・・・・・壊れてます。(笑) これは、日記のSSSに登場した新妻サンジのロロ誕バージョン。 っつうか、サン誕っぽい気がするのは、ルナの気のせい?!(爆) いえいえ、サンジが傍にいる事が、 ゾロにとっての幸せなのです。(こじつけ) こう言うのは、サクサクと書ける! ・・・けど、サンジスキーからクレーム来そうだ。(滝汗) では☆ |