Pure Boy その4. |
それから、ゾロのことは新聞でも取り上げられ、週刊誌やマスコミなどで、話題となった。 社交界・・・財閥・・・御曹司・・・・・・・どれをとっても、俺とは無縁の世界の事で・・・・。 完全に、俺のゾロはもういなくなったと言う事で・・・・・。 あれから、もう数ヶ月が経とうとしているのに、俺は相変わらず眠れなくて・・・・ あのマンションで独りで暮らせずに、実家に戻って生活していた。 ・・・・・・・・・・ゾロと暮らした時のまんま、あの部屋は時間が止まってる。 もう・・・・・・・・・・戻っては来ねえのに・・・・。 「あ、ナミさん、おはようございます。」 大学で見かけた後姿に、俺はいつものようにナミさんに微笑んで挨拶する。
「・・・・・・・サンジ君、最近、どうしたの? なんか疲れてるみたい。 この頃、ちっとも遊びに いつものように振舞っているつもりでも、ナミさんにはわかっちゃったようだ。
「いえ・・・・・・・ちょっと眠れなくて・・・・・。 ああ、けど、気にしないで下さい。 実家の方が
「なら、良いけど・・・・・・あ、そうだ。 今度の土曜日、暇? 友人にパーティーに誘われたん
ナミさんなら、いくらでも相手がいるだろうに、そうやって俺に気を配って声を掛けてくれる。 その気持ちが嬉しくて、俺はそう言って返事した。 「じゃあ、10日ね。 午後7時にショッピングモールの広場で。」 ナミさんは、ホッとしたようににっこりと微笑んでそう言うと立ち去っていった。 「・・・・・・10日かぁ。 もう・・・・・・一年経つんだ。」 俺は、ナミさんの言葉に一年前の事を思い出す。 「ヤベッ・・・参ったなぁ。 涙腺・・・最近、ずっと緩んでるな・・・。」 俺は溢れた涙を手でゴシゴシと拭き取り、講義を受けに学舎へ向かった。 街は晩秋の彩で装い、行き交う恋人達は仲良さげに腕を組んで歩いていく。 「サンジ!!」 「えっ?!」 俺は、その声に驚いて顔を上げる。 「・・・・・う・・・・そ・・・・・」 俺はその姿を見て、逃げ出した。 だんだんとゾロの声が近くなる。
「来るな!! ゾロ・・・・・・来るなよ・・・・。 頼むから・・・・・・黙って・・・・・黙って・・・帰っ 「サンジ!!どうして?! 俺、ずっと待ってた! ずっと、ずっと待ってた!!」 ゾロの言葉が、胸に痛い。
「ゾロ・・・・・・あの家が、てめえの家だ。 あの人達がてめえの本当の家族だ。 俺は・・・・・
「何故?! おじいさん、おばあさん、俺の家族って、わかった。 けど、サンジも家族だろ? 俺の言葉に、ゾロはそう言って絶叫した。 「ッ・・・・ゾ・・・ロ・・・・」 駆け寄って、抱き締めてやりたかった。
「・・・・・サンジが行くところ、俺も行くと言った。 サンジが、そこに行くのなら、俺もそこに行 サッとゾロが、フェンスを乗り越え、俺の隣りに来た。 「ゾロ!!」 俺は、ギュッとゾロに抱きついた。 「サンジ・・・・やっと逢えた。」 スッとゾロの手が、俺の頬に触れる。 「んっ・・・・ふ・・ぁ・・ッ・・・」 俺達は、のめり込むように深く口付ける。 「ごほっ!! まことに申し訳ないのですが・・・坊ちゃま方・・・。」 急に近くで、そう声がした。
「あの・・・・・そのようなところでなされましても、危のうございます。 宜しければ、続きは、 そう恭しく言われた。 「じゃあ、そのように・・・。」 ゾロはそう言うと、俺を抱え上げて軽々とフェンスを越える。 「では、坊ちゃま、私が車までお抱えしましょうか?」 「いや、良い。 サンジは、俺しか抱いちゃダメだから。」
そう言って、腕を差し出していた運転手の脇を、俺を抱いたまま颯爽と通り抜けるゾロ。 「クスクス・・・・そうでございましたか。 それは、失礼致しました。」 後ろで、運転手の忍び笑いも聞こえてくる。 「もしもし・・・あ、ナミさん?!」 「あっ、サンジ君、ごめん・・・・実は・・・」 相手は、ナミさんだった。 「ううん、全然気にしないで。 じゃあ、おやすみ・・・。」 俺は、笑顔で携帯を切る。 「その電話、誰?!」 じっとゾロに睨みつけられた。 「あ、うん、ナミさんからだ。 今日、デートする予定だったから・・・・。」 車に乗せられ、俺はゾロにそう答える。 「デートしてたのか? サンジ、俺と夫婦なのに、デートしてたのか?!」 そう言って、あからさまにムッとされた。 込み上げてくる笑いを抑えながら、笑顔でそう言ってやった。 「サンジ、絶対にダメだからな。 俺以外とデート、絶対にダメ!」 真顔で、そう言い返された。
「初めて・・・・ゾロ君が、私達に我侭を言ってくれましたね。 とても嬉しい事です。 それでこ 老夫婦は喜んで、俺達の事を認めてくれた。 「じゃあ、これから帰ります。 俺達の部屋に・・・。」 ゾロは、老夫婦に挨拶をして、俺の腕を取って部屋を出る。 「オ、オイ! いいのかよ?! こんなに簡単に出てきて・・・」 「良いんだ。 さぁ、早く!! 時間が無い!!」 車に乗り込み、俺達は、マンションに向かった。 「早く! 早く!!」 「ちょっと待てって!!」 そう急き立てるゾロに、俺は慌てて鍵を開け、部屋に入る。 「サンジ!間に合った!! 夫婦の日だ!! おめでとう!!」 俺を抱え上げ、ゾロはそう言ってベッドに飛び込んだ。 「ククク・・・・・・おめでとう、ゾロ。 今年も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・二人でお祝いだ。」 それから、俺達は、久しぶりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夫婦した。
「・・・・・Happy Birthday Dear ゾロ・・・・。」 翌朝、俺は隣りで俺を抱えて幸せそうに眠っているゾロにそっと囁く。 |
<コメント> やっと・・・やっと終わりました! ひえぇぇぇ〜〜、全部で90KBもあるぅ〜・・・。(死) 本当に、なんでこれをロロ誕に持ってくるかなぁですよね。(蹴) しかも、これって・・・・ギャグ系?せつな系??(笑) ゾロが幸せになれば良いんです!(宣言) いつもと一味違う可愛いロロノアをお送りしましたvv では☆ <ロロ誕部屋> |